ケースワーカーとは?役割・仕事内容・上手な付き合い方をわかりやすく解説
はじめに
「ケースワーカーって何をする人?」「家庭訪問では何を聞かれるの?」
生活保護を受給すると、担当のケースワーカーがつきます。ケースワーカーは生活保護に関するあらゆる相談に乗ってくれる、いわば「伴走者」のような存在です。
しかし、「何を相談していいかわからない」「家庭訪問が不安」という声も少なくありません。
この記事では、ケースワーカーの役割や仕事内容・家庭訪問の実態・上手な付き合い方までわかりやすく解説します。ケースワーカーとの関係を良好に保つことで、生活保護をスムーズに受給し、自立に向けた支援を受けやすくなります。
ケースワーカーとは?
ケースワーカーとは、福祉事務所に所属し、生活保護受給者の相談・援助・自立支援を行う地方公務員です。
ケースワーカーの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 市区町村の福祉事務所 |
| 身分 | 地方公務員 |
| 資格 | 社会福祉主事(任用資格) |
| 担当世帯数 | 基準は80世帯に1人(実際は100世帯程度の場合も) |
ケースワーカーは、生活保護の申請対応から、受給後の家庭訪問、就労支援まで、生活保護制度のすべての段階に関わります。
なお、似た言葉に「ソーシャルワーカー」がありますが、ソーシャルワーカーは社会福祉全般に携わる人の総称です。福祉事務所で生活保護を担当する職員を特に「ケースワーカー」と呼びます。
ケースワーカーの役割と仕事内容
ケースワーカーは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。主な役割を見ていきましょう。
1. 生活保護の申請対応
福祉事務所に生活保護の相談に来た方の対応を行います。
申請対応で行うこと
- 生活状況のヒアリング(収入・支出・家族構成・健康状態など)
- 生活保護の受給条件を満たしているかの確認
- 申請書類の受付・不備のチェック
- 生活保護以外に利用できる制度の案内
申請後は、資産調査や扶養義務者への照会などを行い、原則14日以内に受給の可否を決定します。
2. 家庭訪問
生活保護の受給が決まると、担当のケースワーカーが定期的に家庭訪問を行います。
厚生労働省の基準では「少なくとも年2回以上」とされていますが、実際には年2〜4回程度が一般的です。世帯の状況によっては、毎月訪問する場合もあります。
家庭訪問の目的
- 生活状況の確認
- 困りごとや相談の聞き取り
- 自立に向けた支援・アドバイス
- 収入や世帯状況の変化の確認
家庭訪問は「監視」ではなく、受給者を支援するためのものです。困っていることがあれば、この機会に相談しましょう。
3. 就労支援
働ける状態にある受給者に対しては、就労支援を行います。
就労支援の内容
- ハローワークとの連携・紹介
- 職業訓練や資格取得の案内
- 履歴書の書き方・面接のアドバイス
- 就労に向けた生活リズムの改善支援
就労支援は、受給者が生活保護から自立できるようサポートすることが目的です。
4. 医療機関との連携
生活保護受給者は医療扶助により医療費が無料になりますが、これはケースワーカーが医療機関と連携して調整しているためです。
医療関連の業務
- 医療券の発行
- 主治医からの意見書の確認
- 入院・通院に関する相談対応
- 介護サービスの調整(高齢者・障害者の場合)
5. 住居に関する支援
引越しや転居が必要な場合の相談にも対応します。
住居関連の業務
- 住宅扶助の上限額の説明
- 引越し費用(移送費)の支給判断
- 代理納付の手続き
- 転居先の福祉事務所との連携
引越しを検討している方は「生活保護でも引越しできる?費用は支給される?」をご覧ください。
家庭訪問では何を聞かれる?
家庭訪問を不安に感じる方も多いですが、基本的には生活状況の確認と困りごとの相談が中心です。
よく聞かれること
- 最近の体調はどうですか?
- 通院や服薬はできていますか?
- 収入に変化はありませんか?(就労・年金・手当など)
- 困っていることはありませんか?
- 世帯の状況に変化はありませんか?
確認されること
- 生活環境(部屋の様子など)
- 同居人の有無
- 収入申告が正しくされているか
家庭訪問は事前にアポイントを取るのが一般的ですが、やむを得ない場合はアポなしで訪問されることもあります。
ケースワーカーに相談できること
ケースワーカーは生活保護に関するあらゆる相談に対応してくれます。「こんなことを相談していいのかな?」と思わず、気軽に相談しましょう。
相談できる内容の例
| 分野 | 相談内容の例 |
|---|---|
| 就労 | 仕事を探したい、資格を取りたい、体調が悪くて働けない |
| 医療 | 病院に通いたい、医療券の発行、入院が必要になった |
| 住居 | 引越ししたい、今の住居に問題がある、家賃を滞納しそう |
| 家族 | 家族と同居することになった、離婚した、子どもが生まれた |
| お金 | 生活費が足りない、臨時の出費がある、収入が増えた |
| その他 | 介護が必要になった、子どもの進学、生活保護をやめたい |
相談内容によっては、ケースワーカーが他の専門機関(ハローワーク、医療機関、介護事業所など)と連携して対応してくれます。
受給者の義務:報告と届出
生活保護を受給している間は、ケースワーカーに対して報告や届出を行う義務があります。
報告が必要なこと
| 報告事項 | 具体例 |
|---|---|
| 収入の変化 | 就労開始・収入増減・年金受給・手当受給など |
| 世帯構成の変化 | 同居人の増減・結婚・離婚・出生・死亡など |
| 住所の変更 | 引越し・転居 |
| 資産の取得 | 相続・贈与・保険金の受け取りなど |
| 入院・退院 | 入院した場合は必ず報告 |
これらの報告を怠ると、不正受給とみなされる可能性があります。些細なことでも、変化があればすぐに報告しましょう。
収入申告について
働いて収入を得た場合は、毎月の収入申告が必要です。給与明細や通帳のコピーを提出し、正確な収入を報告します。
収入があっても、生活保護がすぐに打ち切られるわけではありません。収入が最低生活費を下回っていれば、差額が支給されます。また、勤労収入には控除(基礎控除)があるため、働いた分がまるまる減額されることはありません。
ケースワーカーとの上手な付き合い方
ケースワーカーとの関係を良好に保つことで、必要な支援を受けやすくなります。
1. 報告・連絡はこまめに
収入や世帯構成に変化があった場合は、すぐに報告しましょう。後から発覚すると、不正受給を疑われたり、保護費の返還を求められたりすることがあります。
報告は「早め」が鉄則です。
2. 相談は遠慮なく
「こんなことを相談していいのかな?」と遠慮する必要はありません。ケースワーカーは生活保護受給者をサポートするためにいます。困りごとがあれば、気軽に相談しましょう。
3. 記録を残す
ケースワーカーとのやり取りは、記録を残しておくと安心です。
- 面談内容や相談内容をメモ
- 提出書類のコピーを保管
- 家賃の支払い記録(振込明細・通帳のコピー)を保管
後から「言った・言わない」の誤解を防ぐことができます。
4. 指示には基本的に従う
ケースワーカーからの指示(就労指導、通院指示など)には、基本的に従う必要があります。正当な理由なく指示に従わない場合、生活保護の停止や廃止につながる可能性があります。
ただし、指示の内容に納得できない場合は、その場で意見を伝えることも大切です。
5. 困ったときは上司や他の窓口に相談
担当ケースワーカーとの関係がうまくいかない場合は、福祉事務所の査察指導員(スーパーバイザー)や所長に相談することもできます。
また、自治体の相談窓口や、生活保護に関する支援団体に相談する方法もあります。
ケースワーカーは怖い人?
「ケースワーカーは怖い」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
確かに、ケースワーカーには生活保護法に基づく指導・指示の権限があり、不正受給の防止も重要な役割です。そのため、厳しい対応をされることもあるかもしれません。
しかし、ケースワーカーの本来の役割は受給者の自立を支援することです。困っている人の味方として、必要な支援を提供することが仕事です。
ケースワーカーも人間ですから、相性の良し悪しはあります。しかし、誠実に対応していれば、多くの場合は良好な関係を築くことができます。
よくある質問(FAQ)
- Qケースワーカーは何人くらいを担当していますか?
- A
厚生労働省の基準では、ケースワーカー1人につき80世帯が標準とされています。しかし、実際には1人で100世帯以上を担当しているケースも多く、非常に忙しい状況にあります。そのため、すぐに連絡がつかないこともありますが、急ぎの場合はその旨を伝えましょう。
- Q家庭訪問を断ることはできますか?
- A
家庭訪問は生活保護制度の一環として行われるものであり、正当な理由なく拒否することはできません。ただし、日程の調整は可能です。都合が悪い場合は、別の日時を提案しましょう。
- Qケースワーカーが代わることはありますか?
- A
はい、あります。ケースワーカーは地方公務員であり、人事異動により担当が変わることがあります(通常2〜3年程度)。担当が代わった場合は、新しいケースワーカーに改めて自分の状況を伝えましょう。
- Qケースワーカーに嘘をついたらどうなりますか?
- A
収入や世帯構成について嘘の報告をすると、不正受給として保護費の返還を求められます。悪質な場合は、刑事告訴される可能性もあります。正直に報告することが大切です。
- Q担当ケースワーカーを変えてもらうことはできますか?
- A
原則として、担当ケースワーカーの変更を要求することはできません。ただし、セクハラやパワハラなど深刻な問題がある場合は、福祉事務所の上司や自治体の相談窓口に相談してください。
まとめ
ケースワーカーは、生活保護受給者の相談・援助・自立支援を行う福祉事務所の職員です。
ケースワーカーは「監視役」ではなく、生活保護受給者をサポートする存在です。良好な関係を築き、必要な支援を受けながら、自立に向けて一歩ずつ進んでいきましょう。
生活保護の申請方法については「生活保護の申請方法と流れ」で詳しく解説しています。
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