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生活保護でも初期費用無し・ゼロで引越しできる5つの方法【2026年4月版】

  1. 結論:初期費用ゼロでも引越しできる5つの方法一覧
  2. 一時扶助(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代)
    1. 一時扶助でまかなえる費目
    2. 支給の対象になる転居とは?(18ケースを4タイプに整理)
    3. 自治体別の支給額の上限(主要4都県)
    4. 申請の流れ4ステップ
    5. 利用するときに気をつけたいこと3つ
  3. 敷金/礼金ゼロ物件・初期費用分割可物件の探し方
    1. 敷金/礼金 ゼロ物件とは?
    2. 敷金/礼金 ゼロ物件 探し方3つ
    3. 利用するときに気をつけたいこと3つ
    4. 一時扶助との組み合わせで、初期費用をさらに抑える
  4. 特別基準額の3倍ルール(住宅扶助の転居時の敷金等支給ルール)
    1. 特別基準額の3倍ルールとは
    2. 具体的な計算例(主要4都県・単身世帯)
    3. 通常基準額と特別基準額の関係
    4. 気をつけたいこと
    5. 一時扶助(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代)との関係
  5. 生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)
    1. 生活福祉資金貸付制度とは
    2. 主な貸付の2種類
    3. 生活保護との関係
    4. 相談先と申請の流れ
    5. 利用するときに気をつけたいこと2つ
  6. 住居確保給付金(生活保護を申請する前の選択肢)
    1. 住居確保給付金とは
    2. 主な対象となる方
    3. 支給される金額と期間
    4. 生活保護との関係
    5. 相談先
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ あなたの状況にあった方法の選び方
    1. 状況別のおすすめ
    2. 迷ったら「まず一時扶助」から考えてみる
    3. ひとりで抱え込まずに、まず相談を

結論:初期費用ゼロでも引越しできる5つの方法一覧

結論からお伝えすると、生活保護を受けている方でも、初期費用を実質ゼロに近づけて引越しできる方法は、少なくとも5つあります。

ケースワーカーに「お金がないから引越しは難しい」と言われたり、不動産会社で「生活保護の方はちょっと……」と断られたりして、不安な気持ちでいる方もいらっしゃるかもしれません。でも、使える制度の組み合わせや、物件選びのちょっとした工夫を知らないだけで諦めてしまうのは、とてももったいないことです。

この記事では、厚生労働省の令和8(2026)年4月施行の生活保護実施要領、国土交通省の住宅セーフティネット制度、各自治体の最新の告示などをもとに、みまもり不動産編集部が整理した5つの方法を、知られている順にやさしく解説します。

#方法こんな方に受けられる支援の目安相談先知名度
1一時扶助生活保護を受けていて、転居に敷金等が必要と認められる方敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代までケースワーカー(管轄の福祉事務所)
2敷金礼金ゼロ物件まだ物件が決まっておらず、初期費用を抑えたい方敷金・礼金分が物件選びの段階で不要に不動産会社(物件選び)中〜高
3特別基準額の3倍ルール生活保護を受けていて、転居時の敷金等の支給を活用したい方住宅扶助特別基準額(単身の告示実額)の3倍ケースワーカー
4生活福祉資金貸付制度主に、生活保護を申請する前の生活に困っている方緊急小口資金10万円・総合支援資金 月15〜20万円(貸付)各自治体の社会福祉協議会
5住居確保給付金離職・廃業から2年以内の方(生活保護を申請する前の選択肢)単身世帯 月5.3万円など(自治体別)× 最大9ヶ月自治体の自立相談支援機関

なお、「初期費用ゼロ」というのはあくまで目安の表現で、すべての項目で1円も払わずに済むことを保証するものではありません。仲介手数料・前家賃・火災保険などが一部かかる場合や、貸付として後日返す義務が生じる場合もあります。この記事では、どの費用をどの方法でカバーできるのかを、章ごとに具体的に整理していきます。

それでは、よく知られている方法から順に読み進めてみてください。


一時扶助(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代)

生活保護法にもとづく一時扶助は、5つの方法の中で基本となる、利用実績の豊富な方法です。転居に敷金等が必要と認められれば、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料・引越し代まで、福祉事務所から支給されます。

一時扶助でまかなえる費目

引越しのときにかかるお金のうち、一時扶助でまかなえる主な費目は次のとおりです。「これも対象になるの?」と見落としがちな項目まで、まとめてカバーされます。

費目支給の目安ひとことメモ
敷金・礼金住宅扶助限度額の3ヶ月分以内が目安(自治体による)初期費用の中でいちばん大きな部分です
仲介手数料家賃の1ヶ月分以内不動産会社へ支払う手数料です
火災保険料2万円前後が目安(契約内容による)賃貸契約でほぼ必須の保険です
引越し代(運送費)引越し業者3社の見積もりのうち、いちばん安い金額あとで説明する「3社見積もり」が必要です

これらの根拠は、厚生労働省の通知(生活保護法による保護の実施要領 局長通知 第7の4の(1)、敷金等の範囲は同取扱い 社保第34号 問35)に定められています。

家具や生活用品の購入費は、別の枠(移送費等・家財道具の購入費)で支給される場合があります。この記事では、引越しの初期費用にしぼって解説します。

支給の対象になる転居とは?(18ケースを4タイプに整理)

一時扶助の敷金等が認められるのは、「やむを得ない事情での引越し」と認められるケースです。厚生労働省の通知では、対象となる転居が18のケースとして示されています(生活保護法による保護の実施要領の取扱い・社保第34号 問30)。

数が多くて分かりにくいため、「どんな事情の引越しか」という視点で4つのタイプに整理しました。ご自身の状況に近いものがないか、探してみてください。

安全を守るための引越し

災害や暴力被害など、身の安全を確保するために引越しが必要なケースです。

  • 土地収用法・都市計画法などにより立ち退きを求められた場合
  • 火災などの災害で住まいが失われた、または住み続けられなくなった場合
  • 犯罪の被害や、同じ世帯の人からの暴力を受け、安全を確保するために引越しが必要な場合

今の住まいに住み続けるのが難しい引越し

建物の老朽化や設備の問題など、今の住まいが住みにくい状態になったケースです。

  • 大家さんなどから、不当な扱い(サービス利用の強要・著しく高額な共益費の請求など)を受けている場合
  • 老朽化や破損で、住み続けるのが難しい状態になった場合
  • 部屋がとても狭い・状態が悪いなど、明らかに住みにくい場合
  • 病気の療養に環境が悪い場合や、高齢の方・障害のある方がいて設備が住まいに合わない場合
  • 大家さんから正当な理由で立ち退きを求められた、または契約の更新を断られた場合

病院や施設から住まいへ移るための引越し

入院・入所していた病院や施設から、地域での暮らしに戻るケースです。

  • 入院していた方が、ケースワーカーの指導で退院する際、帰る住まいがない場合
  • 法令や施設の指示で社会福祉施設などを出る際、帰る住まいがない場合
  • 宿泊施設や無料低額宿泊所などから、自分の住まいでの暮らしに移る場合
  • ご本人の状態を考えて、グループホームや有料老人ホームなどの施設に入る場合

暮らしの変化にともなう引越し

就職や離婚、家族の介護など、生活の変化にあわせて引越しが必要なケースです。

  • ケースワーカーの指導で、今より家賃の安い住まいに移る場合
  • 退職などで社宅を出る必要がある場合
  • 職場まで遠く通勤が大変で、近くへの引越しが自立につながると認められる場合
  • 住まいが見つからず、親戚や知人の家に一時的に身を寄せていた方が引越す場合
  • 離婚(事実婚の解消を含む)で、新しい住まいが必要になった場合
  • 高齢の方や障害のある方が、介護してくれる家族の近くに引越す場合

ここでの4タイプの分け方は、分かりやすさのために編集部で整理したものです。実際に対象になるかどうかは、ケースワーカーが一人ひとりの事情をふまえて判断します。詳しい内容は厚生労働省の通知をご確認ください。

自治体別の支給額の上限(主要4都県)

自治体敷金・礼金の上限仲介手数料火災保険料引越し代
東京23区(単身)住宅扶助限度額の3ヶ月分以内家賃1ヶ月分以内約2万円3社見積もりの最も安い金額
横浜市・川崎市(単身)同上同上約2万円同上
さいたま市(単身)同上同上約2万円同上
千葉市(単身)同上同上約2万円同上

具体的な金額は、管轄の福祉事務所の運用によって変わります。住宅扶助限度額の自治体別の実額は住宅扶助エリア別データで確認できます。

申請の流れ4ステップ

申請は次の4ステップで進みます。物件を契約する前に、まずケースワーカーに相談することが何より大切です。

  1. ケースワーカーに相談: 引越しが必要な理由を、口頭または書面で伝えます
  2. 転居指導書を受け取る: 福祉事務所が引越しの必要性を認めた場合に発行されます
  3. 物件選び・業者の見積もり提出: 住宅扶助限度額内の物件と、引越し業者3社の見積もりを提出します
  4. 福祉事務所が支給を決定: 内容を審査し、支給額が確定します

利用するときに気をつけたいこと3つ

  • 自己都合の引越しは原則として対象になりません: 「もっと広い部屋に住みたい」「気分を変えたい」といった理由では支給されない点にご注意ください
  • 物件を契約する前の相談が欠かせません: すでに契約してしまった物件への一時扶助は、原則として認められません
  • 引越し代は3社の見積もりが必要です: 引越し業者の運送費は、3社の見積もりのうち最も安い金額が基準になります

申請の具体的な進め方や、ケースワーカー相談でつまずきやすいポイントは生活保護の引越し費用は支給される?でくわしく解説しています。


敷金/礼金ゼロ物件・初期費用分割可物件の探し方

初期費用の中でいちばんの壁になる敷金・礼金そのものを、物件選びの段階でゼロにする方法です。敷金礼金ゼロ物件は「ゼロゼロ物件」とも呼ばれ、近ごろは生活保護を受けている方の入居を前提にした専門の取扱業者も増えてきました。

敷金/礼金 ゼロ物件とは?

敷金礼金ゼロ物件とは、賃貸契約のときに敷金(退去時のクリーニング費などの担保)も礼金(大家さんへのお礼のお金)もかからない物件のことです。一般的な物件では家賃の2〜4ヶ月分が敷金礼金として必要になるため、たとえば家賃5万円の物件なら、10〜20万円の初期費用が、ゼロゼロ物件を選ぶだけで抑えられます。

敷金/礼金 ゼロ物件 探し方3つ

ゼロゼロ物件の探し方は、大きく3つあります。

物件情報サイトのしぼり込み機能を使う

主な物件情報サイト(SUUMO・HOME’S・アットホームなど)には、「敷金なし」「礼金なし」「ゼロゼロ物件」といったしぼり込み機能がそなわっています。希望のエリアや家賃と組み合わせて検索すると、候補の物件が見つけやすくなります。

不動産会社に直接相談する

物件情報サイトには載っていない非公開の物件を、ゼロゼロの条件で扱っている不動産会社もあります。来店したときに「初期費用を抑えたい」「ゼロゼロ物件を探している」と伝えてみると、サイトに載っていない選択肢を紹介してもらえることがあります。

生活保護を受けている方に対応した専門業者に相談する

生活保護を受けている方の物件仲介を専門にしている不動産会社では、ゼロゼロ物件の取り扱いが一般の業者より多い傾向があります。本サイト(福祉ナビ1.0)も、関東1都3県を中心に専門業者と提携して、物件のご紹介をしています(提携先からの紹介手数料を受け取る成果報酬の仕組みです)。

利用するときに気をつけたいこと3つ

ゼロゼロ物件は初期費用を抑えられる大きなメリットがある一方で、契約内容の確認が、ふつうの物件以上に大切になります。

  • 退去時のクリーニング費用が高めに設定されている場合があります: 敷金がない代わりに、「退去時クリーニング費5〜10万円」が定額で請求される条項が入っていることがあります
  • 短期解約の違約金に注意してください: 「1〜2年以内の解約で家賃1〜2ヶ月分の違約金」が定められている契約が、一般の物件より多めです
  • 家賃そのものがやや高めのことがあります: 敷金礼金の分が家賃に上乗せされている場合があるため、同じエリアの相場と見くらべてみると安心です

一時扶助との組み合わせで、初期費用をさらに抑える

ゼロゼロ物件を選んだうえで、残る仲介手数料・火災保険料・引越し代をスキーム1の一時扶助でカバーできれば、自己負担を実質ゼロに近づけられます。

具体的な物件のご紹介や、ゼロゼロ条件で生活保護を受けられる物件をお探しの場合は、この記事の最後にあるお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください(関東1都3県を中心に対応・相談は無料です)。


特別基準額の3倍ルール(住宅扶助の転居時の敷金等支給ルール)

生活保護の住宅扶助には、引越しのときの敷金・礼金などを、住宅扶助特別基準額の3倍まで支給する仕組みがあります。スキーム1の一時扶助と合わせて活用できる、意外と知られていない仕組みです。

特別基準額の3倍ルールとは

住宅扶助では、引越しのときの敷金・礼金・契約更新料などを「特別基準」として支給します。その上限は、住宅扶助特別基準額(単身の告示実額)の3倍です(生活保護法による保護の実施要領 局長通知 社発第246号 第7の4の(1)のカに該当)。

「住宅扶助特別基準額」は、ふだんの上限である通常基準額(単身の告示実額)とは別に定められた金額で、世帯の住宅事情や障害・高齢などの特別な事情を考えて設定された、ひろげた基準です。

具体的な計算例(主要4都県・単身世帯)

自治体単身世帯の通常基準額単身世帯の特別基準額敷金等の支給上限(特別基準×3)
東京23区53,700円69,800円209,400円
横浜市52,000円68,000円204,000円
川崎市53,700円69,800円209,400円
横須賀市44,000円57,000円171,000円
さいたま市45,000円59,000円177,000円
千葉市41,000円53,000円159,000円

上記の住宅扶助限度額は、この記事を書いている時点での主要自治体の告示実額です。最新の値や、ほかの自治体の上限額は住宅扶助エリア別データで確認できます。

通常基準額と特別基準額の関係

項目通常基準額特別基準額
性質ふだんの住宅扶助の月額上限特別な事情があるときの月額上限
適用される人すべての受給世帯(原則)下記の3つの要件にあてはまる場合
用途月々の家賃の支給上限月々の家賃の支給上限+敷金等の支給上限を計算するもとの金額

月々の住宅扶助で特別基準額が適用されるのは、次の3つのいずれかにあてはまる場合です(生活保護法による保護の実施要領の取扱い・社保第34号 問56)。

  • 車椅子をお使いの障害のある方などで、広い居室が必要な場合: ふだんより広い部屋を必要とする方がいる世帯
  • 老人等で、転居が難しい場合: 高齢などで、これまでの生活状況からみて引越しが難しいと認められる世帯
  • 通常基準額内の物件が、その地域に見つからない場合: 住宅扶助限度額の範囲で借りられる物件が実際にない場合

気をつけたいこと

「特別基準額の3倍ルール」(敷金等の支給上限)と、「月々の住宅扶助特別基準額」(月々の家賃の支給上限)は、別のものです。

  • 月々の住宅扶助特別基準額: 各自治体が告示で個別に実額を定めています。通常基準額を機械的に1.3倍しても、正確な額は出ません。かならず告示の実額をご確認ください。
  • 敷金等の支給上限となる「特別基準額の3倍ルール」: 上記の月額特別基準額を3倍した金額が、引越しのときの敷金・礼金などの支給上限になります。

機械的な計算ではなく、お住まいの自治体の告示実額を確認することが、正確な見積もりの第一歩です。具体的な実額は住宅扶助エリア別データで自治体別に確認できます。

一時扶助(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代)との関係

特別基準額の3倍ルールは、上記で解説している一時扶助(敷金・礼金・仲介手数料・火災保険・引越し代)の一時扶助の支給上限を決めるもとになる規定です。実際には、一時扶助を申請する手続きの中で、「特別基準額の3倍まで支給されるかどうか」がこのルールにそって判断されます。一時扶助と特別基準額の3倍ルールは別々の制度というより、同じ手続きの違う側面、と考えるのが実態に近いです。

ご自身の世帯・自治体での具体的な敷金等の支給上限は、次の初期費用シミュレーターで試算できます。

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生活福祉資金貸付制度(緊急小口資金・総合支援資金)

生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金・総合支援資金は、主に生活保護を申請する前の、生活に困っている時期に活用できる公的な貸付制度です。ほかの解説記事ではあまり触れられていない分野ですが、初期費用の確保を考えるうえで、知っておくと心強い選択肢です。

生活福祉資金貸付制度とは

生活福祉資金貸付制度は、厚生労働省が制度をつくり、全国の社会福祉協議会(社協)が運営している公的な貸付制度です。低所得の世帯・障害のある方の世帯・高齢の方の世帯などを対象に、生活の立て直しや自立のための資金を、低い金利または無利子で貸し付けてくれます。

主な貸付の2種類

引越しの初期費用の確保で活用が考えられるのは、次の2つの貸付です。

貸付の種類貸付の上限利率据置期間(返済を待ってもらえる期間)主な用途
緊急小口資金10万円以内無利子貸付後2ヶ月以内急な失業・減収などの、緊急で少額の資金
総合支援資金(生活支援費)単身 月15万円以内・2人以上 月20万円以内・原則3ヶ月(最大12ヶ月まで延長可)連帯保証人ありで無利子・なしで年1.5%最終貸付日から6ヶ月以内生活を立て直す期間の、継続的な生活費

緊急小口資金は10万円以内の少額・短期返済が特徴で、引越し一時金のちょっとした補てんに使われます。総合支援資金は月ごとの継続的な貸付で、生活を立て直す時期の長めの支援にあたります。

生活保護との関係

原則として、生活保護法第4条に「ほかの法律や制度などをまず活用する」と定められており、貸付制度よりも生活保護(扶助)が優先されます。そのため、生活保護を受けている方が貸付をあらたに申し込んでも、社協側で「生活保護で対応すべき範囲」と判断されると、貸付が出ないのが一般的な運用です。

生活福祉資金は、主に次のような、生活保護を申請する前の段階での活用が想定されています。

  • 生活保護の申請を考える前に、一時的な資金で生活の立て直しをめざしたい場合
  • 失業・減収で急な出費に対応できないけれど、生活保護の受給要件にはまだ至っていない場合

生活保護を受けている方があらたに借り入れを検討する場合は、社協と福祉事務所の両方への事前の相談が欠かせません。借り入れたお金が「収入認定」(あとで説明します)の対象となり、かえって保護費が減ってしまうことがあるため、自己判断での申し込みは避け、かならずケースワーカーと社協にご相談ください。

相談先と申請の流れ

相談先は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。申請から貸付が決まるまでは、1〜4週間ほどかかります。

  1. お住まいの社会福祉協議会に来所の予約をして相談する
  2. 福祉事務所のケースワーカーにも並行して相談する(生活保護を受けている方は必須です)
  3. 申請書類を提出する(本人確認書類・収入証明・生活状況の報告など)
  4. 社協が審査し、貸付が決定する

利用するときに気をつけたいこと2つ

  • 貸付なので、返す義務があります: 生活保護の扶助とは違い、貸付なので原則として返済の義務があります。返済計画に無理のない金額にとどめることが大切です
  • ケースワーカーへの事前相談が欠かせません: 生活保護を受けている方が貸付を受ける場合、ケースワーカーに事前に相談せず申し込むと、あとで「収入認定」(=生活保護費が減る対象)とみなされることがあります

住居確保給付金(生活保護を申請する前の選択肢)

住居確保給付金は、生活保護とは別の制度として、家賃にあたる金額を最大9ヶ月間支給してくれる仕組みです。生活保護を申請する前の選択肢として、要件を満たせば家賃だけを直接補ってもらえます。

住居確保給付金とは

住居確保給付金は、生活困窮者自立支援法にもとづく公的な給付制度です。厚生労働省が制度をつくり、各自治体の自立相談支援機関が窓口になります。離職・廃業や休業などで住まいを失った方・失うおそれのある方に対し、就職活動を行うことを条件に、自治体ごとの上限額の範囲で家賃にあたる金額を支給します。

主な対象となる方

主な対象となる要件は次のとおりです。

  • 離職・廃業から2年以内の方(または休業などで収入が減った方)
  • 収入の要件: 世帯の収入が、市町村民税の均等割が非課税となる金額+家賃額 以下であること
  • 資産の要件: 世帯の預貯金が一定額以下であること(単身世帯で50.4万円以下など・自治体別)
  • 誠実かつ熱心に求職活動を行うこと

支給される金額と期間

支給額は、各自治体が定める住宅扶助の上限額にそろえられます。たとえば東京23区の単身世帯では、月53,700円が上限です。

項目内容
支給期間原則3ヶ月(延長して最大9ヶ月まで)
支給の方法受給する方ではなく、賃貸住宅の貸主などに直接支払われます
支給の上限自治体ごとの住宅扶助の上限額にそろえられます

生活保護との関係

住居確保給付金と生活保護は別の制度なので、申請する順番を整理しておくことが大切です。

  • すでに生活保護を受けている方は対象外です: 生活保護で住宅扶助が支給されているため、この制度の対象にはなりません
  • 生活保護を申請するか迷っている方には、心強い選択肢です: 離職から2年以内で就職活動の見込みがある方は、生活保護より先にこの制度を検討する価値があります
  • この制度で足りない場合は、生活保護を申請します: 給付の期間が終わっても自立が難しい場合は、生活保護に切り替える運用が一般的です

相談先

相談先は、お住まいの自立相談支援機関(自治体が運営または委託しています)です。お住まいの市区町村役場で「住居確保給付金の窓口」とたずねれば、案内してもらえます。


よくある質問(FAQ)

初期費用ゼロで引越しを進めるときに、よく寄せられるご質問を10問にまとめました。

Q
一時扶助の申請は何回までできますか?
A

原則として、1つの世帯で何回でも申請できます。就職・転勤・病気の療養などで、あらためて引越しの必要性が認められれば、過去に受けた実績にかかわらず、また申請できます。ただし、自己都合の引越しは対象外です。

Q
敷金礼金ゼロ物件は、本当に費用ゼロですか?
A

完全に費用ゼロではありません。敷金・礼金はかかりませんが、仲介手数料・前家賃・火災保険料・鍵交換費用などは別にかかります。これらは、スキーム1の一時扶助と組み合わせることで、実質ゼロに近づけられます。

Q
住宅扶助の「特別基準額の3倍ルール」は、誰にでも適用されますか?
A

引越し先の家賃が特別基準額以内であれば、原則として適用されます。ただし「月々の特別基準額」そのものを適用するには、別に3つの要件(車椅子をお使いの障害のある方などで広い居室が必要・老人等で転居が難しい・通常基準額内の物件が見つからない)があり、ケースワーカーが個別に判断します。

Q
生活福祉資金貸付は、生活保護でも借りられますか?
A

原則として、ほかの制度の活用が優先されるため、生活保護を受けている方のあらたな借り入れは出にくい運用です。主に、生活保護を申請する前の、生活に困っている時期に活用する制度とお考えください。受給中の借り入れを検討する場合は、収入認定の対象になることがあるため、社協と福祉事務所の両方への事前の相談が欠かせません。

Q
住居確保給付金と生活保護は、どちらが先ですか?
A

住居確保給付金が先です。離職・廃業から2年以内で就職活動の見込みがある方は、まずこの給付で家賃を補い、生活の立て直しをめざすのが基本です。給付が終わっても難しい場合は、生活保護に切り替えます。

Q
複数の方法を同時に申請しても問題ありませんか?
A

一部の方法は組み合わせて利用できます。スキーム1の一時扶助と、スキーム2の敷金礼金ゼロ物件選び、スキーム3の特別基準額の3倍ルールは、1つの申請手続きの中でまとめて運用されるのが実務です。組み合わせ方はケースワーカーが個別に判断するので、かならず事前にご相談ください。

Q
引越し費用の上限はいくらですか?
A

3社の見積もりのうち、最も安い金額が原則として支給されます。自治体ごとの一律の上限は示されていないことが多く、福祉事務所が「妥当かどうか」を個別に判断します。長距離の移動や大きな家具の運搬などで見積もりが高くなる場合は、事前の相談が欠かせません。

Q
初期費用が支給される時期はいつですか?
A

物件の契約日の前か、当日に支給されるのが一般的です。福祉事務所の支給決定が物件契約の前提になるため、契約の前に「ケースワーカー相談+物件選び+業者の見積もり提出」をすませておく順番が必要です。契約したあとの申請は、原則として認められません。

Q
5つの方法すべてを組み合わせて使えますか?
A

上記で解説している1〜3番目は組み合わせて使え、実際の併用パターンも多くあります。4番目の貸付と5番目の住居確保給付金は、状況によってそれぞれ単独で使われることが多く、生活保護を受けている方には対象外となる場合があります。

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まとめ あなたの状況にあった方法の選び方

生活保護を受けている方でも初期費用ゼロで引越しできる方法は、ご自身の状況によって、いちばん合う組み合わせが変わってきます。5つの方法をもとに、状況別のおすすめを整理しました。

状況別のおすすめ

あなたの状況第一候補第二候補
生活保護を受けていて、物件が決まっている一時扶助特別基準額の3倍
生活保護を受けていて、物件はこれから敷金礼金ゼロ物件一時扶助
生活保護を申請する前で、離職から2年以内住居確保給付金生活保護の申請も並行して検討
一時扶助の上限を超える初期費用が必要一時扶助生活福祉資金貸付(主に申請前)

迷ったら「まず一時扶助」から考えてみる

どの方法を選べばよいか迷う方には、認知度・実績ともに豊富な一時扶助から検討することをおすすめします。他の候補と組み合わせて使え、申請も、管轄の福祉事務所のケースワーカーへの相談から始まる、なじみやすい流れです。

ひとりで抱え込まずに、まず相談を

引越しや初期費用の悩みは、ひとりで抱え込んでしまいがちです。でも、ケースワーカーやみまもり不動産に相談することで、思いがけない選択肢が見つかることもあります。具体的なご相談は、次のお問い合わせフォームから受け付けています(関東1都3県を中心に対応・相談は無料です)。

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