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生活保護の高齢者の住まい選び|部屋探しと選べる住宅の種類

生活保護の高齢者の住まい選び|部屋探しと選べる住宅の種類 住まい・引越し

「この歳で、生活保護で、部屋なんて借りられるのだろうか」——そう思って、住み替えや部屋探しをあきらめていませんか。

結論からお伝えすると、高齢で生活保護を受けていても、住まいは見つかります。家賃は住宅扶助でまかなわれ、大家に直接家賃が支払われる仕組みや、保証人がいなくても契約できる方法も用意されています。2025年10月には、単身高齢者の入居を後押しする新しい制度も始まりました。難しく感じるのは、探し方と相談先を知らないからにすぎません。

この記事では、高齢の生活保護受給者が住まいを探すときに知っておきたいことを、住まいを支える仕組み・選べる住まいの種類・具体的な探し方の順に、厚生労働省・国土交通省の一次情報にもとづいて解説します。年齢や受給を理由に断られた経験がある方こそ、読んでいただきたい内容です。



結論:高齢でも生活保護でも、住まいは見つかる

「高齢」と「生活保護」が重なると、部屋探しは確かに難しくなります。しかし、見つからないわけではありません。実際、生活保護を受けている世帯の半数以上が高齢者世帯であり、その多くが賃貸住宅で暮らしています。

住まい探しがうまくいくかどうかは、年齢や受給の有無そのものよりも、「事情を理解した窓口にたどり着けるかどうか」で大きく変わります。一人で一般の不動産店を回って断られ続けるより、生活保護受給者の入居に慣れた窓口に相談したほうが、結果的に早く決まることが多いのが実情です。

この記事で押さえてほしいのは、次の3点です。ひとつ、家賃の心配はいりません(住宅扶助でまかなわれます)。ふたつ、保証人や大家の不安をやわらげる仕組みが用意されています。みっつ、高齢の単身者を想定した住まいの選択肢が、近年むしろ増えています。順番に見ていきます。


なぜ高齢の受給者は「二重に」断られやすいのか

高齢の生活保護受給者が部屋を探すとき、断られる理由には2つの壁が重なっています。

  • 年齢の壁 — 大家が、室内での急な体調悪化や、万一のときの対応を心配するケースです
  • 受給の壁 — 家賃がきちんと支払われるか、という不安から難色を示されるケースです

ただ、この2つの不安には、いずれもすでに解消のための仕組みがあります。孤独死や家賃滞納を心配する大家は少なくありませんが、それは制度を知らないから生じる不安でもあります。国もこの状況を問題ととらえ、大家が安心して貸せる環境づくりを進めています。次の項で、その具体的な仕組みを見ていきます。


住まいを支える3つの仕組み

① 家賃は住宅扶助でまかなわれる

生活保護を受けていれば、家賃は住宅扶助として支給されます。地域ごとに上限額が定められており、たとえば東京23区の単身世帯なら月53,700円が上限です。この範囲内の家賃であれば、家賃負担を心配する必要はありません。

お住まいの地域の住宅扶助の上限額は、住宅扶助いくらまで?東京53,700円・横浜52,000円|首都圏4都県一覧で確認できます。物件を探す前に、上限額を知っておくと家賃の目安が立てやすくなります。

② 代理納付で、大家に家賃が直接支払われる

大家がもっとも心配するのは家賃の滞納です。この不安に直接こたえるのが代理納付という仕組みです。自治体が住宅扶助分の家賃を、受給者を通さずに大家へ直接支払います。大家からすれば、家賃が自治体から確実に振り込まれるため、滞納のリスクがほぼなくなります。

代理納付は、大家の不安をやわらげて入居を後押しする有力な材料になります。詳しい仕組みは代理納付制度とは|生活保護の家賃を自治体が大家に直接支払う仕組みで解説しています。

③ 保証人がいなくても契約できる

「頼れる身内がいないから、保証人を立てられない」という高齢の方は少なくありません。しかし、保証人がいなくても賃貸契約は可能です。家賃債務保証会社を利用する方法が一般的で、高齢者や生活保護受給者の利用を想定した保証会社もあります。

保証人なしで契約する具体的な方法は、保証人なしで賃貸契約する方法|生活保護でも使える保証会社の仕組みにまとめています。

ご自身が借りられる家賃の範囲を、おおまかに確認しておきたい方は、下記のツールをご利用ください。

\ 気になる物件は住宅扶助の上限内? /

住宅扶助上限内チェック診断

気になっている物件が住宅扶助上限の範囲内かどうか、1分でチェックできます。床面積別逓減や共益費の取り扱いも含めて自動判定されます。

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なお、この結果はあくまで目安です。正確な上限額や適用は福祉事務所が判断します。迷ったら、記事末尾の窓口からご相談ください。


高齢の受給者が選べる住まいの種類

ひとくちに「住まい」といっても、選択肢はいくつかあります。健康状態やこれからの暮らし方に応じて、次のように整理できます。

住まいの種類どんな人に向くか家賃の扱い
一般の賃貸住宅自立して生活できる方住宅扶助の上限内なら可
居住サポート住宅・セーフティネット住宅見守りがあると安心な単身高齢者住宅扶助の上限内なら可
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)自立〜介護度が軽く、見守り・生活相談がほしい方上限内の家賃の物件なら可
介護施設(住宅型有料老人ホーム等)介護が必要になった方家賃=住宅扶助/生活費=生活扶助/介護費=介護扶助

見守り付きの「居住サポート住宅」が新設された

2025年10月に施行された住宅セーフティネット法の改正で、居住サポート住宅という新しい住まいの区分ができました。これは、安否確認や定期的な見守り、必要なときの福祉サービスへの橋渡しがついた賃貸住宅で、自治体が認定します。人感センサーで安否を確認し、一定期間反応がなければ支援団体に連絡が入る、といった見守りが典型です。

この制度は、まさに単身の高齢者の入居を想定して作られました。見守りがつくことで、大家が抱える「万一のとき」の不安がやわらぎ、受け入れられやすくなる効果があります。高齢の受給者にとっては、選択肢が広がる前向きな変化です。

サ高住・介護施設も、家賃が上限内なら選べる

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリーで見守りと生活相談がついた賃貸住宅です。都市部では住宅扶助の上限を超える家賃設定の物件も多いのですが、上限内の家賃の物件であれば、生活保護を受けていても入居できます

将来、介護が必要になった場合には、住宅型有料老人ホームなどの介護施設も選択肢になります。施設では、家賃は住宅扶助、生活費は生活扶助、介護サービスの費用は介護扶助でまかなわれるため、条件が合えば自己負担が生じないケースもあります。ただし、受け入れ可否は施設ごとの方針や空き状況によります。

どの住まいが合うかは、健康状態・介護の必要度・希望する暮らし方によって変わります。制度や施設の種類は数が多く、一人で最適な選択をするのは簡単ではありません。どこに相談すればよいか迷ったら、まずは事情を理解した窓口に相談するのが近道です。記事末尾からご相談いただけます。


見守り・孤独死への不安にどう備えるか

高齢の単身者にとって、住まいの不安は「借りられるか」だけではありません。「一人で倒れたらどうなるのか」という不安もあります。これは、大家が入居をためらう理由とも重なります。だからこそ、見守りの仕組みを備えておくことは、自分の安心と、住まいの決まりやすさの両方につながります。

  • 居住サポート住宅の見守り — 安否確認や定期的な訪問がついた住まいを選ぶ
  • 地域包括支援センター — 介護保険を利用している方は、事情を共有しておくと連携が取りやすい
  • 代理納付 — 家賃の滞納リスクが消えることで、大家の受け入れが進みやすくなる

こうした仕組みが整ってきたことで、高齢の単身者を受け入れる大家は、以前より増えています。「歳をとっているから無理」と決めつける必要はありません。


住まい探しの進め方(高齢者が押さえたい点)

実際に住まいを探すときの流れと、高齢の方がとくに気をつけたい点を整理します。

  1. 住宅扶助の上限額を確認する — 家賃の目安が決まり、探す物件の範囲がはっきりします
  2. 事情を理解した窓口に相談する — 一般の店を一人で回るより、受給者の入居に慣れた窓口のほうが早く決まりやすい
  3. 見守り・保証の段取りをしておく — 保証会社の利用、見守りの有無を先に整理しておくと、大家に安心して受け入れてもらいやすい
  4. 福祉事務所に転居の相談をする — すでに受給中の方は、転居前にケースワーカーへ相談します。引越し費用が支給される場合があります

断られても、落ち込む必要はありません。高齢や受給を理由に難色を示されるのは珍しいことではなく、相性の合う大家・物件に出会えるかどうかの問題です。部屋探し全体の進め方は生活保護でも部屋は借りられる|物件の探し方と断られたときの対処で、引越し費用の支給については生活保護の引越し費用はいくら出る?支給条件と申請の流れで解説しています。


まだ受給していない方へ — 申請と住まいの関係

「年金だけでは家賃を払うと生活が立ち行かない」という段階であれば、生活保護の申請を検討する価値があります。住宅扶助は生活保護の一部なので、まず受給が決まれば、家賃の支えができます。

申請の窓口は、いまお住まいの地域を所管する福祉事務所です。申請は国民の権利であり、相談だけでも構いません。申請から住まい確保までの流れは生活保護はいつもらえる?申請から14日以内に受給開始する6ステップ、相談先の一覧は生活保護の相談窓口一覧と利用方法|福祉事務所から法テラスまでをご覧ください。

なお、年金を受け取っていても生活保護は受けられます。この点を詳しく知りたい方は年金をもらっていても生活保護は受けられる|高齢者の受給条件と実態をあわせてお読みください。


よくある質問

Q
高齢で生活保護だと、賃貸は借りられないのでしょうか?
A

借りられます。家賃は住宅扶助でまかなわれ、代理納付で大家に直接支払う仕組みや、保証人なしで契約する方法もあります。年齢や受給を理由に断られることはありますが、受給者の入居に慣れた窓口に相談すれば、決まりやすくなります。

Q
サービス付き高齢者向け住宅や老人ホームに、生活保護で入れますか?
A

家賃が住宅扶助の上限内に収まる物件であれば入居できます。介護施設の場合は、家賃は住宅扶助、生活費は生活扶助、介護サービス費は介護扶助でまかなわれ、条件が合えば自己負担が生じないこともあります。ただし受け入れ可否は施設ごとの方針や空き状況によります。

Q
身寄りがなく保証人を立てられません。それでも契約できますか?
A

できます。家賃債務保証会社を利用すれば、保証人がいなくても契約できます。高齢者や生活保護受給者の利用を想定した保証会社もあります。保証人がいないことを理由にあきらめる必要はありません。

Q
一人暮らしで、倒れたときのことが不安です。見守りは受けられますか?
A

2025年10月に始まった「居住サポート住宅」は、安否確認や定期的な見守りがついた住まいです。人感センサーで安否を確認し、反応がなければ支援団体に連絡が入る仕組みなどがあります。介護保険を利用している方は、地域包括支援センターに事情を共有しておく方法もあります。

Q
引っ越しの費用は出ますか?
A

一定の条件を満たす転居であれば、引越し費用や敷金などが支給される場合があります。ただし、事前に福祉事務所へ相談し、認められることが必要です。転居を考えている方は、動き出す前にケースワーカーへ相談してください。


まとめ

  • 高齢でも生活保護でも、住まいは見つかる。カギは事情を理解した窓口にたどり着けるか
  • 家賃は住宅扶助でまかなわれ、代理納付で大家に直接支払える。保証人なしでも契約できる
  • 2025年10月に居住サポート住宅が新設。単身高齢者の見守り付きの住まいが選べるようになった
  • サ高住・介護施設も、家賃が住宅扶助の上限内なら選択肢になる
  • 断られても普通のこと。相性の合う大家・物件に出会えるかの問題であり、あきらめる必要はない

年齢や受給を理由に住まい探しをあきらめかけているなら、一人で抱え込まず、まずは相談してみてください。住まいのことでお困りでしたら、下記の窓口からご相談いただけます。

本記事の情報は2026年7月時点のものです。制度改正等により内容が変更される可能性があるため、最新情報は厚生労働省・国土交通省・お住まいの自治体の公式サイトでご確認ください。
【主な出典】生活保護法(昭和25年法律第144号)/ 厚生労働省「生活保護制度」/ 厚生労働省「被保護者調査(令和8年3月分概数)」(2026年6月3日公表)/ 国土交通省「住宅セーフティネット制度」(2025年10月施行改正)


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