川越市で生活保護を受けると、毎月いくら受け取れるのか。この金額は「川越市だから」で決まる部分と、「年齢と世帯人数」で決まる部分に分かれています。分けて考えると、自分の場合の金額が見当をつけやすくなります。
川越市は級地区分でいうと2級地-1です。生活費にあたる生活扶助は、同じ2級地-1の草加市や越谷市とまったく同じ金額になります。川越市だけが違うのは住宅扶助(家賃の上限)のほうです。
このページでは、川越市の生活扶助の内訳(第1類・逓減率・第2類)を分解したうえで、単身世帯を年齢別に3パターン、母子世帯を1パターン計算します。あわせて加算・12月の上乗せ・支給日の仕組みまで、厚生労働省の令和8年4月基準と川越市の公表資料にもとづいて整理しました。
川越市の保護費は「最低生活費 − 収入」で決まる
生活保護費は「決まった額がもらえる制度」ではありません。世帯の状況から計算した最低生活費と、世帯全員の収入を比べて、足りない分が支給されます。
最低生活費 − 収入 = 支給される保護費:収入が0円なら、最低生活費の全額が支給されます。年金や給与がある場合は、その分が差し引かれます。
最低生活費の中身は、生活費にあたる生活扶助と、家賃にあたる住宅扶助が柱になります。これに世帯の事情に応じた加算が乗ります。医療費や介護費は現物給付なので、金額として手元に入るものではありません。
川越市のしおりでも、同一の住居に住み生計を一つにしている方は原則として同じ世帯として扱われる、と説明されています。計算の単位は個人ではなく世帯です。
川越市の生活扶助の内訳(2級地-1)
生活扶助は3つの部品を組み合わせて計算します。式にすると次のとおりです。
生活扶助 =(世帯員それぞれの第1類の合計 × 逓減率)+ 第2類 + 特例加算 + 経過的加算
ここで間違えやすいのが、逓減率を掛ける相手は第1類の合計だけという点です。第2類には掛けません。
第1類(年齢ごとの費用)
食費や衣類など、一人ひとりにかかる費用です。年齢で11段階に分かれ、級地によって金額が変わります。川越市は2級地-1なので次の額を使います。
| 年齢 | 川越市(2級地-1)の第1類 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 41,460円 |
| 3〜5歳 | 41,460円 |
| 6〜11歳 | 43,200円 |
| 12〜17歳 | 45,820円 |
| 18〜19歳 | 43,640円 |
| 20〜40歳 | 43,640円 |
| 41〜59歳 | 43,640円 |
| 60〜64歳 | 43,640円 |
| 65〜69歳 | 43,200円 |
| 70〜74歳 | 43,200円 |
| 75歳〜 | 37,100円 |
金額がいちばん高いのは12〜17歳です。「大人のほうが高い」という感覚で見ると外します。また60〜64歳と65〜69歳は金額が違うため、「65歳以上」でひとまとめにすると誤ります。70〜74歳と75歳以上の差は6,100円あり、ここがもっとも大きな段差です。
逓減率(世帯人数ごと)
世帯の人数が増えると、生活用品を共有できるぶん一人あたりの費用が下がります。それを反映するのが逓減率です。
| 世帯人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 逓減率 | 1.0000 | 0.8700 | 0.7500 | 0.6600 | 0.5900 |
第2類(世帯ごとの費用)
光熱水費など、世帯単位でかかる費用です。第2類は級地によって金額が変わりません。第1類は級地で変わり、第2類は変わらない。この非対称が正しい構造です。
| 世帯人数 | 第2類(全国共通) |
|---|---|
| 1人 | 27,790円 |
| 2人 | 38,060円 |
| 3人 | 44,730円 |
| 4人 | 48,900円 |
| 5人 | 49,180円 |
川越市の単身世帯には経過的加算が付かない
経過的加算は、基準の見直しで金額が下がりすぎないように調整するための項目です。川越市が属する2級地-1の単身世帯では、11の年齢区分すべてで0円です。計算に足すものがないぶん、単身の方は式がそのまま通ります。
2人・3人世帯についても、2級地-1では基本的に0円です。金額が入るのは1級地-1や2級地-2など、他の級地に多く見られます。
これに加えて、特例加算として1人あたり月1,500円が上乗せされます。世帯人数分だけ加算されるため、2人世帯なら3,000円です。
生活扶助の仕組みそのものについては、生活保護の生活扶助はいくら?計算式・世帯別目安・特例加算まで完全解説で全国共通の考え方を解説しています。
川越市の単身世帯は年齢で3段階に分かれる
単身世帯の場合、第1類の11区分は実質的に3つの金額に集約されます。20〜64歳が43,640円、65〜74歳が43,200円、75歳以上が37,100円です。この3段階で計算してみます。
いずれも家賃が住宅扶助の上限額42,000円ちょうどで、収入が0円の場合の計算です。
単身35歳の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(20〜40歳)43,640円 × 逓減率1.0000 | 43,640円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 |
| 特例加算(1人) | 1,500円 |
| 経過的加算(2級地-1・単身) | 0円 |
| 生活扶助 小計 | 72,930円 |
| 住宅扶助(単身の上限) | 42,000円 |
| 最低生活費 合計 | 114,930円 |
単身68歳の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(65〜69歳)43,200円 × 逓減率1.0000 | 43,200円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 |
| 特例加算(1人) | 1,500円 |
| 経過的加算(2級地-1・単身) | 0円 |
| 生活扶助 小計 | 72,490円 |
| 住宅扶助(単身の上限) | 42,000円 |
| 最低生活費 合計 | 114,490円 |
35歳のケースとの差は440円だけです。65歳になった瞬間に大きく減るわけではありません。
単身78歳の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(75歳〜)37,100円 × 逓減率1.0000 | 37,100円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 |
| 特例加算(1人) | 1,500円 |
| 経過的加算(2級地-1・単身) | 0円 |
| 生活扶助 小計 | 66,390円 |
| 住宅扶助(単身の上限) | 42,000円 |
| 最低生活費 合計 | 108,390円 |
75歳を境に第1類が6,100円下がるため、35歳のケースと比べると月6,540円の差になります。単身世帯で年齢による差がはっきり出るのは、65歳ではなく75歳の区切りです。
年金を受け取っている場合は、その額が収入として差し引かれます。たとえば月6万円の年金がある78歳の単身世帯なら、108,390円 − 60,000円 = 48,390円が支給額の目安になります。年金があっても最低生活費に届かなければ受給できます。
母子2人世帯(母38歳+子1歳)の場合
2人以上の世帯では逓減率が効いてきます。母38歳と1歳の子の2人世帯で計算します。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類 母43,640円 + 子41,460円 = 85,100円 × 逓減率0.8700 | 74,037円 |
| 第2類(2人) | 38,060円 |
| 特例加算(2人) | 3,000円 |
| 経過的加算(2級地-1・2人世帯) | 0円 |
| 生活扶助 小計 | 115,097円 |
| 母子加算(2級地・児童1人) | 17,400円 |
| 児童養育加算 | 10,190円 |
| 生活扶助+加算 小計 | 142,687円 |
ここに2人世帯の住宅扶助が上乗せされます。住宅扶助は世帯人数によって上限額が変わるため、2人以上の世帯の上限額は次の見出しでご案内する住宅扶助のページでご確認ください。
なお児童扶養手当を受給している場合、その額は収入として差し引かれます。母子加算とは別のものなので、混同しないようにしてください。
母子世帯の受給額の考え方は、母子家庭の生活保護受給 | 児童扶養手当との併用と実際の受給額で詳しく解説しています。
川越市の住宅扶助は単身42,000円
ここが川越市の金額を左右する最大のポイントです。生活扶助は同じ2級地-1の草加市・越谷市とまったく同額ですが、住宅扶助だけは川越市の独自の金額になります。
川越市は中核市であるため、埼玉県の一般基準ではなく、厚生労働大臣が川越市について個別に定めた金額が適用されます。埼玉県の公式サイトも「さいたま市、川越市、越谷市及び川口市は、政令指定都市、中核市であるため別途基準額を厚生労働大臣が定めています」と明記しています。
| 市 | 級地 | 単身の住宅扶助上限 |
|---|---|---|
| 川越市 | 2級地-1 | 42,000円 |
| 草加市 | 2級地-1 | 43,000円 |
| 越谷市 | 2級地-1 | 43,000円 |
| さいたま市 | 1級地-1 | 45,000円 |
| 川口市 | 1級地-1 | 47,700円 |
草加市と越谷市は生活扶助が川越市と1円も変わりません。にもかかわらず、単身世帯の最低生活費は川越市のほうが月1,000円低くなります。この差はすべて住宅扶助から来ています。
上記は2026年4月時点の厚生労働大臣告示に基づく実額です。基準額は見直される場合がありますので、最新の金額は川越市生活福祉課(049-224-5784)へご確認ください。
住宅扶助は「実際の家賃」と「上限額」の低いほうが支給されます。家賃35,000円の部屋に住んでいれば、支給されるのは35,000円です。差額が手元に残ることはありません。また共益費・管理費・駐車場代は住宅扶助の対象外で、生活扶助のほうから払うことになります。
2人以上の世帯の上限額、居室が狭い場合の減額、特別基準が使える条件については川越市の住宅扶助限度額(世帯人数別)にまとめています。
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川越市で上乗せされる加算
世帯の事情によっては、生活扶助に加算が上乗せされます。ここで注意したいのが区分の粒度です。加算額は3区分(1級地/2級地/3級地)で決まります。級地区分そのものは6段階ですが、加算はそこまで細かく分かれていません。川越市は2級地-1なので、加算については「2級地」の額を使います。「2級地-1」を「1級地」と読み替えたり、逆に細かい区分の額を探したりすると誤ります。
母子加算(ひとり親)
| 児童の数 | 川越市(2級地)の月額 |
|---|---|
| 1人 | 17,400円 |
| 2人 | 21,800円 |
| 3人目以降 1人につき | 2,700円 |
ここでいう児童とは、18歳になる日以後の最初の3月31日までの方を指します。
障害者加算
| 障害の程度 | 川越市(2級地)の月額 |
|---|---|
| 身体障害者障害程度等級表 1・2級に該当する方など | 25,540円 |
| 身体障害者障害程度等級表 3級に該当する方など | 17,020円 |
障害者加算は令和8年4月に改定されています。改定前の額(2級地なら1・2級24,940円・3級16,620円)を載せている解説は古い情報です。障害者加算と母子加算は、同じ方が両方の要件に当てはまる場合に限り、いずれか高いほうの額が算定されます(同額のときはどちらか一方)。世帯のなかの別々の方がそれぞれ該当する場合は、両方とも算定されます。ひとり親ご本人に障害がある場合が前者、お子さんに障害がある場合が後者にあたります。ご自身のケースがどちらにあたるかは、福祉事務所にご確認ください。
障害のある方の受給額については障害者の生活保護はいくら? | 加算額・対象条件・申請の流れを解説で詳しく扱っています。
児童養育加算とそのほかの加算
児童養育加算は1人あたり月10,190円で、こちらは全国一律です。級地では変わりません。高校卒業前までの子どもがいる世帯が対象です。
このほか、川越市のしおりでは妊産婦加算・在宅患者加算・介護施設入所者加算などが挙げられています。該当しそうな事情があれば、担当のケースワーカーに申し出てください。加算は自動で付くものばかりではありません。
12月の上乗せと、冬の加算
毎月同じ額とは限りません。年に一度だけ増える月と、冬のあいだ増える期間があります。
期末一時扶助(12月)
年末に必要になる費用として、12月分の保護費に一度だけ上乗せされます。期末一時扶助は6区分で定められているため、川越市は2級地-1の額を使います。
| 世帯人数 | 川越市(2級地-1)の額 |
|---|---|
| 1人 | 13,190円 |
| 2人 | 21,510円 |
| 3人 | 22,160円 |
単身世帯なら、12月だけは通常より13,190円多くなる計算です。申請は不要で自動的に加えられます。
冬季加算(埼玉県はⅥ区)
暖房費にあたる冬季加算は、級地ではなく地区区分で決まります。埼玉県はⅥ区に区分されています。世帯人数に応じた額が、定められた期間のあいだ毎月上乗せされます。
「級地が高いほど冬季加算も高い」という関係はありません。寒い地域ほど高くなる仕組みで、Ⅰ区の北海道などが最も高くなります。埼玉県のⅥ区は最も低い区分です。具体的な額と支給期間は、担当ケースワーカーにご確認ください。
川越市の保護費はいつ受け取れるか
川越市の支給日は、受け取り方法によって日が異なります。「毎月◯日」と一律に決まっている市が多いなかで、ここは川越市の特徴です。
| 受け取り方法 | 支給日 |
|---|---|
| 口座振込 | 原則として月初めの平日に指定口座へ振り込み |
| 窓口支給 | 毎月5日(休日の場合は直前の平日) |
口座振込のほうが早く受け取れる月が多くなります。月初が土日や祝日にあたる場合は、その直後の平日になります。
毎月の保護費とは別に、住居の契約更新料や通学定期代など一時的に必要となる費用が臨時に支給されることもあります。支払う前に相談するのが原則です。使ってしまってからでは対象にならない場合があります。
臨時に支給される費用の全体像は、生活保護 一時扶助とは | 支給対象14項目と申請方法にまとめています。
働いて収入があるときの扱い
働いて得た収入は申告が必要ですが、全額がそのまま差し引かれるわけではありません。川越市のしおりでは3つの控除が挙げられています。
| 控除の種類 | 内容 |
|---|---|
| 基礎控除 | 就労収入がある場合、給与総額に応じて一定額が控除される |
| 20歳未満控除 | 20歳未満の方が就労した場合、基礎控除のほかに一定額が控除される |
| その他の必要経費 | 社会保険料・所得税・通勤交通費などが控除される |
働いた分だけ保護費が同額減るわけではないため、働くと手元に残る額は増えます。高校生のアルバイト収入のうち、授業料の不足分や修学旅行費、学習塾代など早期自立に充てられると認められたものは、収入として認定されない扱いになります。
一方で注意が必要なのが借入金です。知人・親族からの借金やカードローン、キャッシングは原則として収入として認定され、返済額は必要経費として控除されません。借りても手元が楽にならない構造なので、負債がある場合は法テラスなどへの相談が案内されます。
よくある質問
- Q川越市で単身だといくらもらえますか?
- A
収入が0円で家賃が上限額42,000円の場合、35歳なら114,930円、68歳なら114,490円、78歳なら108,390円が最低生活費の目安です。年金や給与があれば、その額が差し引かれた分が支給されます。家賃が上限より低ければ、その分も下がります。
- Q草加市や越谷市と金額が違うのはなぜですか?
- A
生活扶助は3市とも同額です(いずれも2級地-1)。違うのは住宅扶助で、川越市は中核市として個別に定められた42,000円、草加市と越谷市は43,000円です。単身世帯ではこの1,000円がそのまま差になります。
- Q65歳になると保護費は減りますか?
- A
単身世帯の場合、65歳で下がるのは月440円です。差が大きく出るのは75歳で、そこで第1類が6,100円下がります。ただし年金の受給開始などで収入側が変わると支給額も変わるため、年齢だけで決まるわけではありません。
- Q12月だけ金額が増えるのはなぜですか?
- A
期末一時扶助が上乗せされるためです。川越市(2級地-1)では単身13,190円、2人世帯21,510円、3人世帯22,160円です。申請は不要で、12月分の保護費に自動的に加えられます。
- Q保護費はいつ振り込まれますか?
- A
口座振込の場合は原則として月初めの平日です。窓口支給の場合は毎月5日で、5日が休日にあたるときは直前の平日になります。受け取り方法によって日が違う点にご注意ください。
- Q年金をもらっていても生活保護を受けられますか?
- A
受けられます。年金は収入として最低生活費から差し引かれますが、年金額が最低生活費を下回っていれば、その差額が支給されます。年金は生活保護に優先して受け取る仕組みなので、先に年金の手続きを済ませることになります。
- Q働くと保護費はその分減ってしまいますか?
- A
同額は減りません。就労収入には基礎控除があり、社会保険料や通勤交通費も必要経費として控除されます。控除された分は手元に残るため、働いた分だけ世帯の使えるお金は増えます。ただし収入の申告は必ず必要です。
まとめ
川越市の生活保護費について、押さえておきたい点を整理します。
- 支給額は最低生活費 − 収入。決まった額がもらえる制度ではない
- 川越市は2級地-1。生活扶助は草加市・越谷市とまったく同額
- 違うのは住宅扶助。川越市は中核市の個別告示で単身42,000円(草加市・越谷市は43,000円)
- 単身の最低生活費は家賃が上限額の場合、35歳114,930円/68歳114,490円/78歳108,390円
- 年齢の段差が大きいのは65歳ではなく75歳(第1類が6,100円下がる)
- 2級地-1の単身世帯は経過的加算が全年齢0円。計算式がそのまま通る
- 加算は3区分で決まる。川越市は「2級地」の額(母子加算 児童1人17,400円・障害者加算 1・2級25,540円)
- 12月は期末一時扶助が上乗せ(単身13,190円)。冬季加算は級地ではなく地区区分で決まり、埼玉県はⅥ区
- 支給日は振込なら月初めの平日、窓口支給なら毎月5日
川越市の被保護人員は4,183人(令和6年度・月平均/埼玉県「埼玉県の生活保護」より)で、埼玉県内でも上位に入ります。金額の見当がついたら、次は住まいをどう確保するかが課題になります。
上限42,000円で部屋が見つかるかどうか不安な方は、みまもり不動産にもご相談いただけます。川越市を含む埼玉県内で、生活保護を受けながら入居できる物件をお探しします。
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