川口市で生活保護を受けた場合、単身30代の方で月額124,120円(生活扶助76,420円+住宅扶助上限47,700円)が支給されます。川口市は厚生労働省の級地区分で1級地-1に分類され、埼玉県内ではさいたま市と並ぶわずか2市のみの最上位区分です。そのため生活扶助の基準額は東京23区とまったく同額で、住宅扶助の上限額(単身47,700円)はさいたま市の45,000円を2,700円上回ります。
川口市の保護率は1.94%(令和7年11月現在・埼玉県公表)で、県内40市のうち2番目の高さです。市平均の1.35%を0.59ポイント上回り、市役所の生活福祉課には保護第1係から第13係までの13係が置かれています。それだけ多くの世帯がこの制度を利用している街です。
この記事では、川口市で実際にいくら受け取れるのかを、4つのモデルケースで内訳から解説します。あわせて、2026年に動き出した最高裁判決に伴う追加給付についても、川口市独自の窓口情報を含めてご案内します。
川口市の生活保護で支給される8つの扶助
生活保護は「毎月いくら」という一律の金額ではありません。世帯の状況に応じて、次の8つの扶助のうち必要なものが組み合わされます。
| 扶助の種類 | 内容 | 支給の形 |
|---|---|---|
| 生活扶助 | 食費・被服費・光熱水費などの日常生活費 | 金銭 |
| 住宅扶助 | 家賃・地代など | 金銭(原則は代理納付) |
| 教育扶助 | 義務教育に必要な学用品費・給食費など | 金銭 |
| 医療扶助 | 診察・投薬・入院などの医療費 | 現物(自己負担なし) |
| 介護扶助 | 介護サービスの利用費 | 現物(自己負担なし) |
| 出産扶助 | 分娩に要する費用 | 金銭 |
| 生業扶助 | 就労に必要な技能習得費・高校就学費など | 金銭 |
| 葬祭扶助 | 葬儀に要する費用 | 金銭 |
このうち、ほとんどの世帯が受け取るのが生活扶助と住宅扶助の2つです。医療扶助・介護扶助は現金が振り込まれるのではなく、医療機関や介護事業者へ直接支払われるため、手元に届く金額には含まれません。
「毎月いくら振り込まれるのか」を知りたい場合は、生活扶助+住宅扶助+各種加算の合計で考えるのが実態に近い計算になります。この記事の金額も、その考え方で算出しています。
川口市の住宅扶助上限額(世帯人数別)
川口市は中核市であるため、厚生労働大臣が個別に住宅扶助の基準額を告示しています。ここは間違いが起きやすい箇所なので、少し丁寧に説明します。
| 世帯人数 | 通常基準 | 特別基準 |
|---|---|---|
| 単身 | 47,700円 | 62,000円 |
| 2人 | 57,000円 | 67,000円 |
| 3〜5人 | 62,000円 | 72,000〜81,000円 |
| 6人 | 67,000円 | 81,000円 |
| 7人以上 | 74,400円 | 86,000円 |
中核市だからといって、県の基準と同じとは限りません。川口市の場合は結果的に埼玉県1級地の一般基準と同額ですが、同じ埼玉県内でも川越市(中核市)は42,000円と県2級地の43,000円より低く設定されています。さいたま市(政令指定都市)に至っては45,000円で、川口市より2,700円低い金額です。
つまり、級地が同じでも金額が同じとは限らないのが住宅扶助の実態です。お住まいの市の告示額を必ず確認してください。
なお住宅扶助には、居室の広さによる減額(単身で11〜15㎡なら43,000円、6㎡以下なら33,000円)や、車椅子の使用・転居困難といった事情による特別基準の適用など、細かなルールがあります。
川口市の住宅扶助の詳細は、専用ページで世帯人数別・床面積別に整理しています。
川口市の生活扶助モデルケース4パターン
ここからが本題です。川口市は1級地-1なので、生活扶助の基準額は東京23区とまったく同じです。違うのは住宅扶助の上限だけ(川口市47,700円/東京23区53,700円)。
生活扶助は次の式で計算されます。
生活扶助 =(第1類×逓減率)+ 第2類 + 経過的加算 + 特例加算
モデル1:単身世帯(30代)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(20〜40歳)46,930円 × 逓減率1.00 | 46,930円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 |
| 経過的加算 | 200円 |
| 特例加算(1,500円×1人) | 1,500円 |
| 生活扶助 合計 | 76,420円 |
| 住宅扶助(上限) | 47,700円 |
| 月額合計 | 124,120円 |
モデル2:単身高齢者世帯(70代前半)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(70〜74歳)46,460円 × 逓減率1.00 | 46,460円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 |
| 経過的加算 | 0円 |
| 特例加算(1,500円×1人) | 1,500円 |
| 生活扶助 合計 | 75,750円 |
| 住宅扶助(上限) | 47,700円 |
| 月額合計 | 123,450円 |
30代より670円低くなりますが、これは第1類の基準額が年齢区分で異なるためです。なお70代の方は医療機関にかかる機会が多くなりますが、医療費は医療扶助として別枠で全額まかなわれます。
モデル3:母子世帯(母30代+小学生+未就学児の3人世帯)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(母46,930円+小学生46,460円+未就学児44,580円)× 逓減率0.75 | 103,477円 |
| 第2類(3人) | 44,730円 |
| 経過的加算 | 170円 |
| 特例加算(1,500円×3人) | 4,500円 |
| 小計(端数処理後) | 152,880円 |
| 母子加算(1級地・児童2人) | 23,600円 |
| 児童養育加算(10,190円×2人) | 20,380円 |
| 生活扶助 合計 | 196,860円 |
| 住宅扶助(3〜5人の上限) | 62,000円 |
| 月額合計 | 258,860円 |
モデル4:標準3人世帯(30代夫婦+小学生)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(夫46,930円+妻46,930円+小学生46,460円)× 逓減率0.75 | 105,240円 |
| 第2類(3人) | 44,730円 |
| 経過的加算(夫170円+妻170円) | 340円 |
| 特例加算(1,500円×3人) | 4,500円 |
| 児童養育加算(10,190円×1人) | 10,190円 |
| 生活扶助 合計 | 165,000円 |
| 住宅扶助(3〜5人の上限) | 62,000円 |
| 月額合計 | 227,000円 |
同じ3人世帯でも、母子世帯(モデル3)と夫婦+子(モデル4)では月額で3万円以上の差が出ます。これは母子加算と、児童の人数による児童養育加算の差によるものです。
なお、いずれのモデルも住宅扶助を上限まで使った場合の金額です。住宅扶助は実際に支払っている家賃の額が支給されるため、家賃が4万円の物件に住んでいる単身の方であれば、支給額は上限の47,700円ではなく4万円になります。差額が手元に残るわけではありません。
川口市の8つの加算制度
生活扶助には、世帯の事情に応じた加算が上乗せされます。川口市は住宅扶助・加算のいずれも「1級地」として扱われます。
ここは制度上とても間違えやすい箇所です。級地区分そのものは1級地-1から3級地-2までの6区分ですが、加算額を決めるときは1級地/2級地/3級地の3区分で見ます。「1級地-2だから2級地」という読み替えは誤りです。川口市は1級地-1なので、当然「1級地」の額が適用されます。
| 加算の種類 | 対象 | 川口市(1級地)の月額 |
|---|---|---|
| 障害者加算 | 身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する方等 | 27,460円 |
| 障害者加算 | 同3級に該当する方等 | 18,300円 |
| 母子加算 | ひとり親で児童1人 | 18,800円 |
| 母子加算 | ひとり親で児童2人 | 23,600円 |
| 母子加算 | 児童3人以上(1人増すごと) | +2,900円 |
| 児童養育加算 | 児童1人につき | 10,190円 |
| 妊産婦加算 | 妊娠中・出産後の方 | 別途 |
| 在宅患者加算 | 在宅で療養に専念する方 | 別途 |
いくつか補足します。
特例加算の段階的増額表
物価上昇などを踏まえた臨時的・特例的な措置として、全世帯に世帯員1人あたりの加算が上乗せされています。この額は段階的に引き上げられてきました。
| 適用時期 | 世帯員1人あたりの月額 |
|---|---|
| 令和5年10月〜令和7年9月 | 1,000円 |
| 令和7年10月〜令和9年3月(現行) | 1,500円 |
3人世帯であれば、月4,500円が上乗せされる計算です。
なお、この特例加算を行ってもなお従前の基準額を下回る世帯については、従前の基準額が保障されます。そのため、令和9年3月31日までは生活扶助基準額が下がる世帯はありません。入院患者・介護施設入所者については、現行の1人あたり月1,000円の加算額が維持されます。
冬季加算(川口市はⅥ区)
11月から3月までの5か月間、暖房費などの需要に対応するため冬季加算が支給されます。全国はⅠ区からⅥ区に区分され、埼玉県はⅥ区です。
| 世帯人数 | 川口市(Ⅵ区)の月額 |
|---|---|
| 1人 | 2,630円 |
| 2人 | 3,730円 |
| 3人 | 4,240円 |
| 4人 | 4,580円 |
| 5人 | 4,710円 |
| 6人 | 5,010円 |
| 7人 | 5,220円 |
| 8人 | 5,380円 |
| 9人 | 5,560円 |
| 10人以上 | 1人増すごとに+180円 |
Ⅵ区は全国で最も低い区分です。参考までに、北海道などのⅠ区は単身で12,780円が10月から翌4月までの7か月間支給されます。川口市を含む関東の平野部は、暖房需要が比較的小さい地域として区分されています。
冬季加算のほか、年末には期末一時扶助が支給されます。川口市(1級地-1)の場合、単身14,160円・2人23,080円・3人23,790円・4人26,760円・5人27,890円です。
最高裁判決に伴う追加給付(川口市の対応)
2013年(平成25年)に国が行った生活扶助基準の引き下げをめぐり、2025年6月の最高裁判決は「デフレ調整に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があった」として、この引き下げを違法と判断しました。これを受け、国は当時の受給者に対して差額分の一部を追加支給する方針を決定しています。
川口市も追加給付を実施する予定です。現時点(川口市の公表による)で判明している内容は次のとおりです。
対象となる期間・世帯
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象期間 | 2013年8月〜2026年3月 |
| 対象期間の一部条件 | 2018年10月〜2026年3月は、障害者加算・在宅患者加算・期末一時扶助など特定の基準生活費・加算等を受給した世帯に限る |
| 対象世帯(1) | 対象期間に川口市で受給しており、現在も受給中の世帯 |
| 対象世帯(2) | 対象期間に川口市で受給しており、現在は停止中または廃止となっている世帯 |
支給を決定する時点で亡くなっている方は対象外です。
手続きと現在の状況
川口市の専用窓口
川口市は2026年4月27日から、追加給付の専用コールセンターと対面の相談窓口を設置しています。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 川口市生活保護費等追加給付コールセンター | 電話 048-242-3530/受付 8時30分〜17時15分(平日のみ) |
| 生活保護費等追加給付相談窓口 | 川口市役所第3庁舎2階/受付 9時00分〜16時30分(土日祝を除く) |
| 保護費追加給付相談センター(国・厚生労働省委託) | 電話 0120-179-445(フリーダイヤル)/受付 平日9時00分〜17時00分 |
なお、厚生労働省の指針により、電話では受給歴や追加給付額の照会には回答できない取り扱いになっています。給付額は世帯の人数・受給していた時期や期間・加算の認定状況によって世帯ごとに異なり、対象期間中に受給していた場合であっても、対象にならない場合や給付額が数百円になる場合もあります。
川口市で相談するときの窓口と独自ルール
生活福祉1課・2課
川口市の生活保護の窓口は、市役所第三庁舎にある生活福祉1課・生活福祉2課です。区による管轄分けはなく、市内全域を対象としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口名称 | 川口市 福祉部 生活福祉1課・生活福祉2課 |
| 所在地 | 〒332-0032 埼玉県川口市中青木1-5-1(第三庁舎2階) |
| 電話 | 048-258-5703(庶務係直通)/048-258-1110(市役所代表) |
| 窓口受付時間 | 9時00分〜16時30分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く) |
| 電話受付時間 | 8時30分〜17時15分(同上) |
| 管轄 | 市内全域 |
川口市の生活福祉課には、保護第1係から第13係までが置かれています。県内2位の保護率(1.94%)を支えるための体制です。世帯ごとに担当のケースワーカーが決まる仕組みで、受給後の相談は担当ケースワーカーが窓口になります。
生活保護に至る前の段階でお困りの方には、川口市生活自立サポートセンター(第三庁舎4階/電話 048-299-8293・048-299-8294)が生活困窮者自立支援制度に基づく相談を受け付けています。こちらは川口市社会福祉協議会に委託して運営されています。
川口市には住まいに関する独自の条例があります
川口市は、他の自治体にはあまり見られない条例を2本持っています。
これらは、生活保護を受けている方に住居や金銭管理のサービスを提供する事業について、川口市が独自に運営基準を定め、その適正化を図るためのものです。こうした条例が存在すること自体が、川口市の住まいをめぐる事情を反映しています。
住まいを決める際には、その住居がどのような制度のもとで運営されているのか、家賃や利用料の内訳がどうなっているのかを、契約前にご自身で確認されることをおすすめします。判断に迷う場合は、担当のケースワーカーに相談してください。
よくある質問
- Q川口市の生活保護は、月にいくらもらえますか?
- A
世帯の構成・年齢・住んでいる住居の家賃によって変わります。単身30代の方であれば、生活扶助76,420円に住宅扶助(上限47,700円)を加えて月額124,120円が目安です。単身高齢者(70代前半)で123,450円、30代夫婦+小学生の3人世帯で227,000円が目安となります。住宅扶助は実際の家賃額が支給されるため、家賃が上限より低い場合は支給額もその分低くなります。
- Q川口市はさいたま市より受給額が多いのですか?
- A
住宅扶助については、川口市のほうが高くなります。川口市の単身の上限は47,700円、さいたま市は45,000円で、2,700円の差があります。一方、生活扶助はどちらも1級地-1のため同額です。さいたま市は政令指定都市として独自の基準額が告示されており、埼玉県1級地の一般基準(47,700円)より低く設定されています。
- Q川口市は東京23区と生活扶助が同じというのは本当ですか?
- A
本当です。川口市も東京23区も級地区分は1級地-1であり、生活扶助の第1類・第2類の基準額は同一です。異なるのは住宅扶助で、東京23区は単身53,700円、川口市は47,700円と6,000円の差があります。ただし川口市は家賃相場が23区より低い傾向にあるため、住宅扶助の範囲内で物件を探しやすい面があります。
- Q医療費や介護費は、支給額に含まれていますか?
- A
含まれていません。医療扶助・介護扶助は現金で振り込まれるのではなく、医療機関や介護事業者へ直接支払われる「現物給付」です。そのため、窓口での自己負担は原則ありません。この記事で示している月額は、生活扶助・住宅扶助・各種加算の合計であり、手元に届く金額の目安です。
- Q最高裁判決の追加給付は、いつもらえますか?
- A
川口市は「支給や申出受付の開始時期は未定」と公表しています。現在受給中または停止中の方は申請不要で、準備が整い次第、決定通知が送付されて支給が始まります。現在は廃止となっている方は川口市への申出が必要で、国の指針により受付は夏以降に実施される予定です。最新の状況は川口市の専用コールセンター(048-242-3530)でご確認ください。
- Q家賃が住宅扶助の上限を超えている場合はどうなりますか?
- A
原則として、上限内の物件への転居を指導されます。ただし、車椅子を使用するなど広い居室が必要な場合、高齢や病気で転居が困難な場合、上限内の物件が見つからない場合には、特別基準(川口市の単身で62,000円)が適用されることがあります。適用には福祉事務所の判断が必要です。また、福祉事務所の許可を得て転居する場合、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用は一時扶助として支給されます。
まとめ
川口市の生活保護受給額のポイントを整理します。
- 川口市は1級地-1。埼玉県内ではさいたま市と並ぶ2市のみの最上位区分で、生活扶助は東京23区と同額
- 住宅扶助の上限は単身47,700円。中核市の個別告示で、さいたま市(45,000円)を上回る
- 月額の目安は、単身30代で124,120円、単身高齢者で123,450円、母子3人世帯で258,860円以上、夫婦+小学生の3人世帯で227,000円
- 加算は1級地の額を適用。母子加算は児童1人18,800円、障害者加算(1・2級相当)は27,460円
- 冬季加算はⅥ区(11〜3月・単身2,630円)
- 最高裁判決の追加給付について、川口市は専用コールセンター(048-242-3530)と対面窓口を設置済み。廃止世帯の申出受付は夏以降の予定
正確な支給額は世帯ごとの認定によって決まります。おおよその金額をその場で把握したい方は、下記のシミュレーターをご利用ください。
みまもり不動産では、川口市で生活保護を受給されている方・これから受給をお考えの方のお部屋探しをサポートしています。住宅扶助の範囲内で住める物件をお探しの方、入居審査に不安がある方は、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です。
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