つくば市で生活保護を受けた場合、単身の30代の方でおおよそ月104,580円(生活扶助70,580円+住宅扶助34,000円)が目安になります。つくば市は級地区分で3級地-1にあたり、この級地に応じた基準額で計算されます。ただし実際の支給額は世帯の人数・年齢・収入・障害の有無などによって大きく変わります。この記事では、つくば市の受給金額をモデルケース4パターンで示したうえで、計算のしくみ・加算制度・支給日までを厚生労働省と茨城県の公式資料にもとづいて解説します。
つくば市の生活保護でもらえる金額のしくみ
生活保護費は「いくらもらえるか」が固定されているわけではありません。国が定める最低生活費から、その世帯の収入を差し引いた不足分が支給されます。
最低生活費 − 世帯の収入 = 支給される保護費
収入がまったくない世帯であれば、最低生活費の全額が支給されます。年金や給与がある世帯では、その分だけ支給額が減ります。収入が最低生活費を上回っていれば、生活保護は適用されません。
最低生活費の中心になるのが、日常生活の費用にあたる生活扶助と、家賃にあたる住宅扶助です。つくば市は級地区分で3級地-1にあたり、茨城県には1級地が存在しません。県内で最も高い区分は2級地-1の水戸市です。
つくば市の受給金額 モデルケース4パターン
収入がまったくない場合を前提に、つくば市での支給額の目安を4つのケースで計算しました(令和8年4月時点の基準額)。
| 世帯 | 生活扶助 | 住宅扶助(上限) | 合計の目安 |
|---|---|---|---|
| 単身・30代 | 70,580円 | 34,000円 | 約104,580円 |
| 単身・高齢(72歳) | 70,170円 | 34,000円 | 約104,170円 |
| 母子3人(母35歳・子10歳・子7歳) | 182,097円 | 44,000円 | 約226,097円 |
| 標準3人(夫33歳・妻30歳・子5歳) | 150,777円 | 44,000円 | 約194,777円 |
母子3人のケースの内訳は次のとおりです。金額の組み立て方がわかると、ご自身の世帯に置き換えて考えやすくなります。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(母41,290+子40,880+子40,880)×逓減率0.75 | 92,287円 |
| 第2類(3人世帯) | 44,730円 |
| 特例加算(1人1,500円×3人) | 4,500円 |
| 母子加算(3級地・児童2人) | 20,200円 |
| 児童養育加算(10,190円×2人) | 20,380円 |
| 生活扶助 合計 | 182,097円 |
| 住宅扶助(3〜5人世帯の上限) | 44,000円 |
| 総額の目安 | 226,097円 |
最も相談の多い単身世帯についても、内訳を示しておきます。30代の方の場合です。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 第1類(20〜40歳・3級地-1)×逓減率1.00 | 41,290円 |
| 第2類(1人世帯) | 27,790円 |
| 特例加算 | 1,500円 |
| 生活扶助 合計 | 70,580円 |
| 住宅扶助(単身の上限) | 34,000円 |
| 総額の目安 | 104,580円 |
同じ単身でも、75歳以上の方は第1類が35,100円まで下がるため、生活扶助は64,390円・総額の目安は約98,390円になります。年齢によって1万円近い差が出るということです。
水戸市と比べるとどのくらい違うか
同じ茨城県内でも級地が違うと金額が変わります。県内で最も高い水戸市(2級地-1)と、つくば市(3級地-1)を単身30代で比べてみます。
| 項目 | つくば市(3級地-1) | 水戸市(2級地-1) | 差 |
|---|---|---|---|
| 第1類(20〜40歳) | 41,290円 | 43,640円 | 2,350円 |
| 第2類(1人) | 27,790円 | 27,790円 | 0円 |
| 住宅扶助(単身の上限) | 34,000円 | 35,400円 | 1,400円 |
| 総額の目安 | 約104,580円 | 約108,330円 | 3,750円 |
差は月3,750円ほどです。第2類はどの級地でも同額なので、差が出るのは第1類と住宅扶助の部分だけになります。金額を理由に市外へ引っ越すほどの差ではありませんし、転居には転居先の福祉事務所への引き継ぎなど別の手間も生じます。
これに加えて、小学生2人であれば教育扶助(小学生3,400円)が計上され、医療費は医療扶助でまかなわれます。実際の額はこの目安より増えることのほうが多いと考えてください。世帯の状況に応じて経過的加算などが加わる場合もあり、端数処理の関係で数十円の差が出ることもあります。正確な金額は福祉事務所が個別に算定します。
生活扶助の計算方法
生活扶助は次の式で計算されます。この構造を知っておくと、自分の世帯の金額を自分で確かめられるようになります。
生活扶助 =(世帯員それぞれの第1類の合計 × 逓減率)+ 第2類 + 特例加算
第1類は個人ごとにかかる食費・被服費などにあたる部分で、年齢と級地で決まります。第2類は世帯全体でかかる光熱費などにあたる部分で、世帯人数だけで決まります。
第1類(つくば市・3級地-1の額)
| 年齢 | 月額 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 39,230円 |
| 3〜5歳 | 39,230円 |
| 6〜11歳 | 40,880円 |
| 12〜17歳 | 43,360円 |
| 18〜19歳 | 41,290円 |
| 20〜40歳 | 41,290円 |
| 41〜59歳 | 41,290円 |
| 60〜64歳 | 41,290円 |
| 65〜69歳 | 40,880円 |
| 70〜74歳 | 40,880円 |
| 75歳〜 | 35,100円 |
年齢の区切りには注意してください。60〜64歳と65〜69歳で額が違い、70〜74歳と75歳以上ではさらに差が大きくなります。「65歳以上」とひとくくりに考えると計算が合わなくなります。また最も高いのは12〜17歳の区分で、成人より高く設定されています。
逓減率(世帯人数別)
| 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.0000 | 0.8700 | 0.7500 | 0.6600 | 0.5900 | 0.5800 |
世帯人数が増えると、1人あたりの費用は割安になります。それを反映するのが逓減率です。逓減率を掛けるのは第1類の合計だけで、第2類には掛けません。ここを間違えている解説をよく見かけますので注意してください。
第2類(世帯人数別・級地による差はなし)
| 世帯人数 | 月額 |
|---|---|
| 1人 | 27,790円 |
| 2人 | 38,060円 |
| 3人 | 44,730円 |
| 4人 | 48,900円 |
| 5人 | 49,180円 |
第2類は級地によって額が変わりません。つくば市でも東京23区でも同額です。第1類は級地ごとに6区分で額が変わるのに対し、第2類は世帯人数だけで決まる、という非対称な構造になっています。
これに特例加算として1人あたり月1,500円が上乗せされます。単身の30代の方であれば、41,290円+27,790円+1,500円=70,580円という計算です。
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つくば市の住宅扶助の上限額
家賃にあたる住宅扶助の上限は、つくば市では次のとおりです。
| 世帯人数 | 上限額 |
|---|---|
| 単身(1人) | 34,000円 |
| 2人 | 41,000円 |
| 3〜5人 | 44,000円 |
| 6人 | 48,000円 |
| 7人以上 | 53,000円 |
住宅扶助は実際に支払う家賃の実費が上限の範囲で支給されるもので、上限額がそのまま毎月もらえるわけではありません。また共益費・管理費は対象外です。
部屋が狭い場合には上限が下がります。単身世帯の場合、11㎡〜15㎡で31,000円、7㎡〜10㎡で27,000円、6㎡以下で24,000円です。逆に、通常の上限では住まいを確保できない事情がある場合には特別基準として単身44,000円まで引き上げられることがあります。詳しくはつくば市の住宅扶助限度額(世帯人数別)で解説しています。
生活保護で受けられる8種類の扶助
生活保護は現金の支給だけではありません。次の8種類があり、必要に応じて組み合わせて適用されます。
| 扶助の種類 | まかなわれる費用 |
|---|---|
| 生活扶助 | 食費・光熱費・被服費など日常生活の費用 |
| 住宅扶助 | 家賃・間代・地代 |
| 教育扶助 | 義務教育に必要な学用品費・給食費など |
| 医療扶助 | 病気やけがの治療費(原則として自己負担なし) |
| 介護扶助 | 介護サービスの利用に必要な費用 |
| 出産扶助 | 出産に必要な費用 |
| 生業扶助 | 就労に必要な技能習得費・高校就学費など |
| 葬祭扶助 | 葬儀に必要な費用 |
教育扶助の基準額は小学生3,400円・中学生5,300円・高校生7,300円で、これとは別に教材費やクラブ活動費、高校の入学金などが実費で計上されます。医療扶助は現金で受け取るのではなく、医療券によって窓口負担がなくなる形で使われます。持病がある方にとっては、この点が生活を大きく変えます。
生活扶助に上乗せされる加算制度
世帯の状況に応じて、生活扶助に加算が上乗せされます。主な加算は次の8つです。
このうち金額の大きい3つについて、つくば市に適用される額を示します。加算額の級地は「1級地・2級地・3級地」の3区分で決まりますので、3級地-1のつくば市には3級地の額が適用されます。
| 加算 | 対象 | つくば市(3級地)の月額 |
|---|---|---|
| 障害者加算 | 身体障害者障害程度等級表1・2級に該当する方等 | 23,620円 |
| 障害者加算 | 身体障害者障害程度等級表3級に該当する方等 | 15,750円 |
| 母子加算 | 児童1人 | 16,100円 |
| 母子加算 | 児童2人 | 20,200円 |
| 母子加算 | 児童3人以上・1人につき加える額 | 2,500円 |
| 児童養育加算 | 児童1人につき(全国一律) | 10,190円 |
母子加算でいう「児童」は、18歳になる日以後の最初の3月31日までの方を指します。障害者加算は令和8年4月に改定されていますので、古い金額を載せている情報には注意してください。
もうひとつ重要な注意点があります。障害者加算と母子加算は、同じ方が両方の要件に当てはまる場合に限り、いずれか高いほうの額が算定されます(同額のときはどちらか一方)。
世帯のなかの別々の方がそれぞれ該当する場合は、両方とも算定されます。ひとり親ご本人に障害がある場合が前者、お子さんに障害がある場合が後者にあたります。ご自身のケースがどちらにあたるかは、福祉事務所にご確認ください。
冬季加算(つくば市はⅥ区)
冬の暖房費などの増加分をまかなうため、冬季には冬季加算が上乗せされます。地域の寒さに応じてⅠ区からⅥ区までの6区分に分かれており、茨城県はⅥ区です。
| つくば市の区分 | Ⅵ区(茨城県全域) |
| 支給される期間 | 11月から翌年3月まで(5か月間) |
| 金額 | 世帯人数によって決まります |
Ⅵ区は6区分のうち最も温暖な地域の区分にあたり、北海道のⅠ区に比べると金額は小さくなります。またⅠ区・Ⅱ区は10月から4月までの7か月間支給されるのに対し、Ⅲ区からⅥ区は11月から3月までの5か月間です。具体的な金額は世帯人数によって変わりますので、社会福祉課でご確認ください。
なお12月には、これとは別に期末一時扶助が支給されます。年末の出費に備えるためのもので、こちらも世帯人数によって額が決まります。
最高裁判決にともなう追加給付について
令和7年(2025年)6月、最高裁判所は、平成25年から段階的に行われた生活扶助基準の引下げについて違法であるとの判断を示しました。これを受けて国は、当時保護を受けていた方に対する追加給付の方針を示しています。
つくば市も市の公式サイトで「最高裁判決を踏まえた生活保護費等の追加給付について」という案内を掲載しています。対象になるかどうか、金額がいくらになるか、いつ支給されるかは、当時の受給状況によって世帯ごとに異なります。
この追加給付は全国で約300万世帯が対象になるとみられる規模のもので、順次手続きが進められています。対象と思われる方には市から案内が届く形が基本ですが、転居などで案内が届かないことも考えられます。心当たりのある方は、つくば市社会福祉課(029-883-1111)へ問い合わせてください。
なお、この追加給付にあたって手数料を請求するような話があれば、それは制度とは無関係です。手続きに費用はかかりません。
つくば市の生活保護費の支給日
生活保護費は、原則として世帯主の指定口座へ月1回振り込まれます。支給日は自治体ごとに定められており、全国的には毎月1日から5日の間に設定されている例が多くなっています。
ただしつくば市は具体的な支給日を公式に公表していません。この記事では推測で日付を書くことはしません。ご自身の支給日は、保護の決定時に福祉事務所から案内されますので、そちらを確認してください。すでに受給されている方で不確かな場合は、社会福祉課へ電話で確認するのが確実です。
一般的な取り扱いとして、次の点は知っておくと役に立ちます。
毎月の保護費とは別に支給される一時扶助
ここまでは毎月継続して支給される金額の話でした。これとは別に、特別な出費が生じたときに支給される一時扶助があります。知らずに自費でまかなってしまう方が多い部分ですので、主なものを挙げておきます。
| 一時扶助 | 支給される場面 |
|---|---|
| 敷金等 | やむを得ない事情で転居する場合の敷金・礼金・仲介手数料など |
| 住宅維持費 | 住宅の補修が必要になった場合 |
| 家具什器費 | 入院からの退院時など、生活に必要な家具や家電を持たない場合 |
| 被服費 | 災害で衣類を失った場合、おむつが必要な場合など |
| 入学準備金 | 小学校・中学校への入学時 |
| 移送費 | 通院や転居にともなう交通費 |
とくに転居にともなう敷金等の一時扶助は、つくば市のように住宅扶助の上限と家賃相場の差が大きい地域では重要です。いまの家賃が上限を超えている場合、転居を指導されることがありますが、そのときの初期費用は一時扶助でまかなわれる可能性があります。
ただし一時扶助は事前の相談と福祉事務所の承認が必要です。先に契約してしまってから申し出ても、対象にならないことがあります。転居を考え始めた段階で、必ずケースワーカーに相談してください。
収入がある場合の計算(勤労控除)
働いて収入がある場合、その全額が保護費から差し引かれるわけではありません。勤労控除という仕組みがあり、収入のうち一定額は手元に残ります。
たとえば単身の30代の方(最低生活費104,580円)が月に6万円の給与収入を得た場合、6万円がまるごと引かれるのではなく、勤労控除を差し引いた額が収入として認定されます。結果として、働いたほうが手元に残る金額は増えます。
これは「働くと損をする」という誤解を避けるための大切な仕組みです。就労を検討している方は、実際にどのくらい手元に残るのかをケースワーカーに試算してもらうとよいでしょう。
なお、働いて得た収入だけでなく、年金・手当・保険金・親族からの仕送りなどもすべて申告の対象です。申告漏れがあると、あとから返還を求められることがあります。
見落とされやすいのは、働きによらない収入です。次のようなものも申告が必要になります。
また、保護を受けている間は、福祉事務所が事前に認めた一部の貸付を除いて借金は原則としてできません。キャッシングやカードローンも収入として扱われます。生活が苦しくなったときは、借りる前にケースワーカーへ相談してください。
よくある質問
- Qつくば市の生活保護は一人暮らしでいくらもらえますか?
- A
収入がない30代の単身世帯で、生活扶助70,580円+住宅扶助34,000円の合計で月104,580円が目安です。実際の額は年齢・家賃・収入・障害の有無などによって変わります。
- Qつくば市の生活保護費の支給日はいつですか?
- A
つくば市は具体的な支給日を公式に公表していません。全国的には毎月1日から5日の間が一般的で、土日祝日にあたる場合は前倒しされます。ご自身の支給日は保護の決定時に案内されますので、不確かな場合は社会福祉課(029-883-1111)へご確認ください。
- Q障害者加算と母子加算は両方もらえますか?
- A
どなたが該当するかによります。世帯のなかの別々の方がそれぞれ該当する場合(お子さんに障害があり、親御さんがひとり親である場合など)は両方とも算定されます。同じ方が両方の要件に当てはまる場合(ひとり親ご本人に障害がある場合など)は、いずれか高いほうの額が算定されます。詳しくは福祉事務所にご確認ください。
- Qつくば市の冬季加算はいつからいつまでですか?
- A
茨城県はⅥ区にあたり、11月から翌年3月までの5か月間支給されます。北海道などのⅠ区・Ⅱ区は10月から4月までの7か月間で、期間も金額も地域によって異なります。
- Q働くと生活保護費は減りますか?
- A
保護費は減りますが、勤労控除があるため収入の全額が差し引かれるわけではありません。結果として、働いたほうが手元に残る金額は増えます。「働くと損をする」ということはありません。
まとめ
つくば市の生活保護でもらえる金額は、単身の30代で月104,580円、母子3人で月226,097円が目安です。つくば市は3級地-1にあたり、生活扶助は第1類・第2類・特例加算の合計、住宅扶助は単身34,000円が上限になります。世帯の状況によっては障害者加算・母子加算・児童養育加算が上乗せされ、冬にはⅥ区の冬季加算が11月から3月まで加わります。
ただし、つくば市で実際に生活を組み立てるうえで壁になるのが住まいです。住宅扶助の上限34,000円に対し、市内の1Kの家賃相場は約68,500円と倍近い開きがあります。上限内の物件を自力で探すのは簡単ではありませんので、困ったときは受給者の受け入れに慣れた不動産会社に相談してみてください。
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