江東区で生活保護の申請を考えている方が最初につまずくのが、「どこの窓口に行けばいいのか」という点です。江東区の福祉事務所は保護第一課と保護第二課の2か所にあり、住んでいる町名によって行き先が決まります。区役所に行けば必ず手続きできるわけではありません。
この記事では、江東区の申請窓口の分かれ方から、受給の要件、必要書類、申請してから決定が出るまでの期間、そして万が一却下されたときの対処までを、区が公表している情報をもとに整理しました。
江東区の生活保護申請の流れ(5ステップ)
江東区で生活保護を申請してから受給が始まるまでは、大きく5つの段階に分かれます。全体像を先に押さえておくと、窓口でのやりとりに戸惑いにくくなります。
| 段階 | 内容 | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 1. 事前相談 | 保護第一課または保護第二課の窓口で、現在の生活状況を相談する | 当日 |
| 2. 申請 | 保護申請書を提出する。書類が揃っていなくても申請はできる | 当日〜数日 |
| 3. 調査 | 資産・収入の確認、家庭訪問、扶養義務者への照会などが行われる | 約2週間 |
| 4. 決定 | 保護の要否と支給額が決まり、書面で通知される | 申請日から原則14日以内 |
| 5. 受給開始 | 担当のケースワーカーが決まり、毎月の保護費が支給される | 決定後 |
重要なのは、2の「申請」は相談とは別の行為だという点です。窓口で生活の困りごとを話しただけでは申請したことになりません。申請書を提出して初めて、区には14日以内に決定を出す義務が生じます。相談だけで帰されそうになった場合は、「申請書を提出したい」とはっきり伝えてください。
生活保護の申請は法律で認められた権利であり、申請そのものを断ることは区にはできません。
3の「調査」では何が行われるのか
申請後の約2週間で行われる調査は、主に次の3つです。あらかじめ知っておくと、身構えずに済みます。
いずれの調査も、申請を通しにくくするためのものではなく、支給額を正確に算定するための手続きです。
江東区の生活保護を受けるための4つの基本要件
生活保護は、世帯の収入が国の定める最低生活費を下回っている場合に、その不足分を補う制度です。そのうえで、次の4つの要件を満たしているかどうかが確認されます。
1. 資産の活用
預貯金、使っていない土地や建物、生命保険の解約返戻金など、生活費に充てられる資産がある場合は、まずそれを使うことが求められます。ただし、現在住んでいる家や、通院・通勤に不可欠な自動車などは、状況によって保有が認められることがあります。一律に「持っていたら受けられない」わけではありません。
2. 能力の活用
働くことができる方は、その能力に応じて働くことが求められます。ただしこれは「働いていたら受けられない」という意味ではありません。働いていても収入が最低生活費に届かない場合は、不足分が支給されます。病気や障害、介護などで就労が難しい事情がある場合は、その事情が考慮されます。
3. 扶養義務者からの援助
親、子、兄弟姉妹などの扶養義務者から援助を受けられる場合は、そちらが優先されます。区から扶養義務者へ照会が行われることがありますが、照会が必ず行われるわけではありません。関係が長く途絶えている場合や、家庭内暴力などの事情がある場合は、その旨を申請時に伝えることで照会が見送られることがあります。事情は具体的に伝えたほうが伝わります。
4. 他の制度の活用
年金、傷病手当金、雇用保険、児童扶養手当など、生活保護以外に受けられる給付がある場合は、そちらを先に活用します。生活保護は、あらゆる制度を使ってもなお足りない場合の最後の支えという位置づけです。
江東区の最低生活費の目安
最低生活費は、生活費にあたる生活扶助と、家賃にあたる住宅扶助などを合計して算出されます。江東区は生活保護の級地区分で1級地-1にあたり、東京都1級地の基準が適用されます。
住宅扶助の上限額は、単身世帯で53,700円です。世帯人数が増えると上限額も上がります。世帯人数別の詳しい金額は、以下のページにまとめています。
なお、実際にいくら支給されるかは、世帯の人数・年齢・障害の有無などによって変わります。江東区のモデルケース別の受給額は別記事で扱っています。
江東区の申請窓口は2か所(住んでいる町名で決まる)
江東区の福祉事務所は、保護第一課と保護第二課の2つに分かれています。どちらに行くかは住んでいる町名で決まっており、選ぶことはできません。
| 保護第一課 | 保護第二課 | |
|---|---|---|
| 場所 | 江東区役所 2階24番 | 総合区民センター 1階 |
| 住所 | 〒135-8383 江東区東陽4-11-28 | 〒136-0072 江東区大島4-5-1 |
| 生活保護の相談 | 03-3645-3106 | 03-3637-2707 |
| 受付時間 | 月〜金曜日(祝日を除く) 8時30分〜17時00分 | 月〜金曜日(祝日を除く) 8時30分〜17時00分 |
12時00分から13時00分の間は受付のみとなり、相談は受け付けていません。午前中の早い時間に行くと、その日のうちに相談まで進みやすくなります。
大まかな分かれ方
町名ごとの正確な区分は後述の一覧ページで確認していただく必要がありますが、大づかみには次のように分かれています。
東砂だけは丁目で担当が分かれます
江東区でひとつだけ注意が必要なのが東砂です。東砂は町名の中で唯一、1丁目から5丁目までが保護第二課、6丁目から8丁目までが保護第一課と、丁目によって窓口が分かれています。
他の町名はすべて町単位でどちらか一方に属しているため、間違えるとすれば東砂です。東砂にお住まいの方は、自分の丁目を確認してから向かってください。
行く前に電話しておくと待ち時間が減ります
窓口は予約制ではありませんが、事前に電話して住所を伝えておくと、担当する課がその場でわかり、混み合う時間帯も教えてもらえます。体調が優れない方や、小さなお子さんを連れて行く方は、あらかじめ相談しておくと当日の負担が軽くなります。
また、電話の段階で持っていったほうがよいものを確認しておけば、二度手間になりにくくなります。ただし前述のとおり、書類が揃っていないことを理由に申請を先送りする必要はありません。
町名ごとの正確な担当区分と、それぞれの課の詳しい連絡先は、次の記事にまとめています。
江東区の申請に必要な書類
申請時に用意しておくとよい書類は次のとおりです。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 本人確認ができるもの | 運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など |
| 収入がわかるもの | 給与明細、年金振込通知書、雇用保険の受給資格者証など |
| 資産がわかるもの | 預貯金通帳(記帳したもの)、生命保険証券など |
| 住まいに関するもの | 賃貸借契約書、家賃の領収書など |
| その他 | 印鑑、通院している場合は診察券やお薬手帳 |
書類が揃っていなくても申請はできます

ここが最も誤解されやすい点です。上記の書類が全部揃っていないと申請できない、ということはありません。手元にあるものだけを持って窓口へ行き、申請書を提出することができます。足りない書類は、申請後に順次提出すれば構いません。
通帳をなくしている、契約書が見つからない、住まいが定まっていないといった状況でも、申請そのものは可能です。「書類を揃えてからまた来てください」と言われた場合でも、その場で申請書の提出を求めることができます。
江東区の申請から決定までの期間
申請書を提出すると、区は原則として申請日から14日以内に、保護を行うかどうかを決定し、書面で通知します。これは生活保護法第24条に定められた期限です。
ただし、資産の調査や扶養義務者への照会に時間がかかるなど特別な理由がある場合は、最長30日まで延長されることがあります。その場合、区は延長する理由を通知書に記載しなければなりません。理由が示されないまま14日を過ぎている場合は、担当課に確認してください。
保護が決定されると、申請した日にさかのぼって保護費が計算されます。決定が出るまでの日数分が切り捨てられるわけではありません。
決定を待つ間に生活費が尽きる場合
決定までの2週間、手持ちのお金がもたないという状況はよくあります。その場合は申請時にその旨を伝えてください。社会福祉協議会の貸付制度の案内や、状況に応じた対応が検討されることがあります。黙っていると気づいてもらえないため、遠慮せず具体的に伝えることが大切です。
申請が却下されたときの3段階の対処
申請しても保護が認められないことがあります。その場合、次の3つの手段があります。
第1段階 却下の理由を確認し、必要なら再申請する
却下の通知書には理由が書かれています。まずそこを確認してください。収入や資産の評価に誤解がある、伝えきれていなかった事情があるといったケースでは、資料を補って再申請することができます。再申請の回数に制限はありません。
事情が変わった場合(仕事を失った、病気が悪化した、援助が途絶えたなど)も、あらためて申請できます。
第2段階 東京都知事へ審査請求する
却下の判断そのものに納得がいかない場合は、東京都知事に対して審査請求をすることができます。江東区は特別区であるため、審査請求の相手方は東京都知事です。
期限は、却下の通知を受け取った日の翌日から3か月以内です(行政不服審査法第18条)。かつては60日以内とされていましたが、法改正により3か月に延びています。古い情報を掲載しているサイトもあるため注意してください。
審査請求は書面で行います。書き方がわからない場合は、法テラスや弁護士会の相談窓口で助言を受けられます。
第3段階 厚生労働大臣へ再審査請求する
東京都知事の裁決にも納得がいかない場合は、厚生労働大臣に再審査請求をすることができます。さらにその先には、裁判所への訴訟という手段もあります。
却下されたからといって、そこで終わりではありません。手続きは段階的に用意されています。
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江東区で受けられる生活保護以外の支援
生活保護の要件には当てはまらないものの、生活が苦しいという場合、江東区では生活保護以外の支援も用意されています。
住居確保給付金
離職などにより住まいを失うおそれがある方に対して、家賃相当額を一定期間支給する制度です。就労支援とあわせて行われます。支給の条件・期間・上限額が定められているため、詳細は窓口で確認してください。
就労準備支援
すぐに就職することが難しい方に向けて、生活リズムの立て直し、模擬面接などの社会訓練、就職活動に必要な知識や技術の習得を段階的に支援する事業です。
家計改善支援
失業や借金、家計の問題から生じる困りごとについて、相談員が一緒に課題を整理し、支援の計画を立てます。
相談先は生活保護とは別の番号です
ここも間違えやすい点です。生活保護以外の経済的な相談は、生活保護の相談とは電話番号が異なります。
| 課 | 生活保護の相談 | 生活保護以外の経済的な相談 |
|---|---|---|
| 保護第一課 | 03-3645-3106 | 03-3647-8487 |
| 保護第二課 | 03-3637-2707 | 03-3637-3741 |
同じ課でも用途によって番号が分かれているため、かけ間違えると案内し直しになります。どちらの課に電話するかは、生活保護の場合と同じく住んでいる町名で決まります。
過去に受給していた方への追加給付が始まっています
2025年6月27日の最高裁判決を受けて、国は過去の生活扶助基準の改定に関する追加給付を行う方針を決めました。江東区でも、2026年8月3日から申出の受付が始まっています。
現在江東区で継続して受給している方は手続きが不要ですが、現在は受給していない方は、当時の世帯主本人による申出が必要です。対象期間や必要書類、専用のコールセンターについては、受給金額の記事で詳しく扱っています。
よくある質問
- Q江東区に住民票がなくても申請できますか
- A
できます。生活保護は住民票の場所ではなく、現在いる場所を管轄する福祉事務所で申請します。江東区に住民票がなくても、実際に江東区で生活していれば江東区で申請できます。住まいが定まっていない場合も同様です。
- Q持ち家があると申請できませんか
- A
持ち家があっても申請はできます。現在住んでいる家については、資産価値が著しく高い場合を除き、そのまま住み続けながら保護を受けられることが少なくありません。売却して住まいを失うほうが、かえって支出が増えると判断されるためです。住宅ローンが残っている場合は扱いが変わるため、申請時に伝えてください。
- Q自動車を持っていると申請できませんか
- A
原則として保有は認められていませんが、例外があります。公共交通機関では通院が困難な場合、障害により移動手段として不可欠な場合、就労に自動車が必要な場合などは、保有が認められることがあります。判断は個別の事情によるため、自己判断で手放す前に窓口へ相談してください。
- Q借金があると申請できませんか
- A
借金があっても申請はできます。ただし、支給された保護費を借金の返済に充てることは想定されていないため、債務整理を並行して検討するよう案内されることがあります。法テラスなどで無料の法律相談を受けられます。
- Q家族に必ず連絡が行きますか
- A
必ずしも行くわけではありません。扶養義務者への照会は、関係が長く途絶えている、暴力や虐待の経緯があるといった事情がある場合には見送られることがあります。申請時に事情を具体的に伝えてください。黙っていると通常どおり照会される可能性があります。
- Q申請前に部屋を借りてもいいですか
- A
申請前に契約してしまうと、敷金や礼金といった初期費用が支給の対象にならないことがあります。住まいを移す予定がある場合は、契約する前に福祉事務所へ相談してください。順序が結果を左右します。
- Qスマートフォンを持っていると受けられませんか
- A
そのようなことはありません。スマートフォンは生活に必要なものとして扱われており、所有を理由に保護が認められないということはありません。
- Q保護第一課と保護第二課、どちらに行けばいいかわかりません
- A
住んでいる町名で決まります。豊洲・門前仲町・木場・南砂などは保護第一課、亀戸・大島・北砂などは保護第二課です。東砂だけは丁目で分かれます(1〜5丁目が第二課、6〜8丁目が第一課)。判断がつかない場合は、どちらかに電話して住所を伝えれば教えてもらえます。
まとめ
江東区で生活保護を申請する際に押さえておきたい点を整理します。
- 江東区の福祉事務所は保護第一課(区役所2階24番)と保護第二課(総合区民センター1階)の2か所。住んでいる町名で行き先が決まる
- 東砂だけは丁目で担当が分かれる(1〜5丁目は第二課、6〜8丁目は第一課)
- 受付は月〜金曜日の8時30分〜17時00分。12時〜13時は受付のみ
- 書類が揃っていなくても申請はできる。相談と申請は別の行為
- 決定は申請日から原則14日以内、最長でも30日以内
- 却下されても、再申請・東京都知事への審査請求(3か月以内)・厚生労働大臣への再審査請求という段階が用意されている
- 生活保護以外の経済的な相談は電話番号が別
住まいのことでお困りの場合は、生活保護に対応した物件探しについてもご相談いただけます。
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