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生活保護受給中にできること・できないこと一覧|働く・貯金・車・進学の可否を解説

生活保護受給中にできること・できないこと一覧|働く・貯金・車・進学の可否を解説 生保の基礎

生活保護を受けると「あれもこれも禁止されて、自由がなくなるのでは」と不安に感じている方は少なくありません。働くこと、貯金、スマホの所有、子どもの進学まで、生活のあらゆる場面で「これはやっていいのか」と迷う場面が出てきます。

実は、生活保護を受けていてもできることのほうが多く、禁止されているように見えることの多くは「一定の条件を満たせば認められる」ものです。逆に、うっかり見落とすと不正受給を疑われてしまう「本当に注意すべきこと」も存在します。

本記事では、受給中にできること・条件つきでできること・注意が必要なことを一覧で整理し、それぞれが何を基準に判断されるのかをわかりやすく解説します。生活保護受給者向けの賃貸仲介を支援してきた現場の経験から、実際につまずきやすいポイントもあわせて紹介します。

判断に迷ったときにどう動けばよいかまで、最後までご確認ください。


「できること・できないこと」は何で決まるのか

生活保護には、こまかい行動を一つひとつ「禁止」するルールブックのようなものはありません。多くのことは、次の2つの目的に照らして判断されます。

  • 最低限度の生活を維持できるか
  • 自立の助長(生活の立て直し)につながるか

たとえば「働くこと」は、収入が増えて自立に近づくため、むしろ推奨されます。一方で、高額な資産の保有は「最低限度の生活」の考え方から外れるため、原則として認められません。

大切なのは、多くのことは「一律禁止」ではなく「条件つきで可能」だという点です。そして、その条件に当てはまるかどうかを判断するのは、担当のケースワーカー(福祉事務所)です。自分だけで「これはダメだろう」と諦めたり、逆に「たぶん大丈夫」と自己判断で進めたりせず、迷ったら相談することが、結果的にいちばん安全です。


【できること】受給中でも問題なくできること

まずは、特別な条件なしにできることから見ていきましょう。

働く(就労はむしろ推奨されます)

生活保護を受けながら働くことは、まったく問題ありません。むしろ、自立の助長という制度の目的にかなうため、就労は推奨されています。

「働いて収入を得ると、その分だけ保護費が減らされて損なのでは」と考える方もいますが、そうではありません。働いて得た収入は申告が必要ですが、得た収入がそのまま全額差し引かれるわけではなく、勤労控除という仕組みによって一定額が手元に残ります。働いた人のほうが、働かない場合よりも使えるお金は多くなる設計になっています。

※控除される具体的な金額は、収入額や年度によって変わります。正確な額は担当のケースワーカーにご確認ください。

一定の範囲でお金を貯める(預貯金)

「生活保護中は1円も貯金できない」というのは誤解です。日々の生活費をやりくりして貯蓄すること自体は認められています。

ただし、貯めたお金の目的や金額によっては、収入として扱われたり、指導の対象になったりすることがあります。進学・転居・出産など、将来の必要に備えた計画的な貯蓄は認められやすい一方、使いみちのはっきりしない高額な貯蓄は説明を求められることがあります。まとまった額を貯めたい場合は、事前にケースワーカーへ相談しておくと安心です。

病院にかかる(医療扶助)

医療扶助により、病院での診察・治療・入院・薬の処方などを、原則として自己負担なしで受けられます。受診の際は、福祉事務所が発行する医療券などの手続きが必要になる場合があるため、かかり方は担当のケースワーカーに確認しておきましょう。

スマホ・携帯電話を持つ

スマートフォンや携帯電話は、今や生活や求職活動に欠かせない生活必需品であり、所有は問題ありません。ただし通信料金は生活扶助のなかでやりくりする必要があるため、料金プランは無理のない範囲で選びましょう。

資格取得・就労支援を利用する

自立につながる資格取得や、自治体の就労支援・技能習得の制度を利用できます。就職に役立つ技能の習得にかかる費用が支援される場合もあります。どの支援が使えるかは自治体によって異なるため、ケースワーカーに相談してみてください。

選挙で投票する

生活保護を受けていても、選挙権・被選挙権に影響はありません。これまでどおり投票できます。

ペットを飼う

ペットの飼育は制度上禁止されていません。ただし、餌代や医療費などの飼育費用も生活扶助のなかでまかなう必要があります。集合住宅では飼育の可否が契約で決まっている場合もあるため、住まいのルールもあわせて確認しましょう。


【条件つきでできること】要件を満たせば認められること

次は、「原則は制限があるものの、一定の条件を満たせば認められる」ことです。いずれも自己判断で進めず、事前にケースワーカーへ相談するのが大前提です。

自動車を持つ・運転する

自動車は資産とみなされるため、原則として保有・使用は認められず、処分の対象になります。

ただし例外があります。障害のある方や、公共交通機関の利用が著しく困難な地域に住んでいる方が、通勤・通学・通院などのために必要とする場合には、一定の要件を満たせば例外的に保有が認められることがあります。近年は、例外的に保有が認められた自動車について、日常の買い物などへの使用を一部認める運用の見直しも行われています。

認められるかどうかは福祉事務所の個別判断となるため、車が生活に不可欠な事情がある場合は、必ず事前に相談してください。

生命保険を続ける・加入する

生命保険は、解約したときに戻ってくるお金(解約返戻金)が資産とみなされるため、原則として解約が求められます

ただし、解約返戻金が少額で、保険料の負担が生活を圧迫しない場合などは、継続が認められることがあります。認められる基準は福祉事務所の判断によって異なります。また、保険金や解約返戻金を受け取った場合は必ず申告が必要です。受け取ったお金を申告しないと、不正受給を疑われることがあるため注意してください。

引越しをする(転居費用が支給される場合があります)

引越しそのものは可能です。さらに、一定の要件(たとえば住宅扶助の上限を超える家賃の住まいから転居する場合など)に該当すれば、敷金など転居にかかる費用が支給されることがあります。

ただし、費用の支給には事前にケースワーカーの承認が必要です。承認を得る前に自分で契約を進めてしまうと支給の対象外になることがあるため、引越しを考え始めた段階で相談しましょう。

持ち家に住み続ける

自分が住むための持ち家は、一定の条件のもとで保有し、住み続けることが認められる場合があります。一方、資産価値が特に高い不動産などは、別途判断の対象となることがあります。持ち家がある状態で申請・受給を検討している場合は、扱いをケースワーカーに確認してください。

子どもを進学させる(進学・就職準備給付金)

子どもの教育は、進学先によって扱いが分かれます。

  • 高校など:世帯のなかで就学でき、就学に必要な費用も支援の対象になります。
  • 大学・短大・専門学校など:進学する本人は、原則として世帯分離(生活保護の世帯から外れる)という扱いになります。

あわせて、生活保護世帯の子どもが大学等へ進学する場合や、就職して保護を必要としなくなる場合には、進学・就職準備給付金という一時金が支給されます。金額は、進学・就職のために転居する場合は30万円現在の自宅から通学・通勤する場合は10万円です。

進学は将来の自立に直結する大切な選択です。世帯分離の手続きや給付金の申請について、早めにケースワーカーへ相談しておきましょう。


【注意が必要なこと】うっかりが不正受給につながるもの

最後に、本当に気をつけるべきことです。ここは「知らなかった」では済まされない場面があります。

収入や資産を申告しない

働いて得た収入、仕送り、保険金、臨時の収入などは、すべて申告する義務があります。申告をしなかったり、事実と異なる申告をしたりすると、不正受給とみなされ、受け取った保護費の返還を求められることがあります。少額でも、収入があったら必ずケースワーカーに申告してください。

資産を隠す

生活保護の申請・受給にあたっては、預貯金や不動産などの資産調査が行われます。資産を隠して受給することはできません。

借金・ローン・クレジットカードは慎重に

借金やクレジットカードの利用は、法律で一律に禁止されているわけではありません。ただし、次のような理由から慎重な対応が必要です。

  • 借り入れたお金は、収入として認定される場合があります
  • 保護費からの返済は本来想定されておらず、返済で生活が苦しくなりやすい
  • ケースワーカーから利用を控えるよう指導されることがあります

新たな借り入れやローンを検討している場合は、トラブルを避けるためにも事前に相談することをおすすめします。

ギャンブル・投機的な支出

保護費の使いみちは基本的に本人に任されていますが、ギャンブルなどで生活費を使い果たし、生活が立ち行かなくなった場合は、指導の対象となります。


迷ったら自己判断せず、ケースワーカーに相談を

ここまで見てきたとおり、「できること・できないこと」の多くは、状況によって判断が変わるグレーゾーンです。同じ「車の保有」でも、住んでいる地域や事情によって結論が変わります。

判断に迷ったときにいちばん避けたいのは、自分だけで結論を出してしまうことです。「どうせダメだろう」と諦めて必要な支援を受け損ねたり、「たぶん大丈夫」と進めてあとで問題になったりするケースは少なくありません。

生活保護の運用は自治体ごとに細かな違いもあります。少しでも迷ったら、担当のケースワーカー(福祉事務所)に相談するのが、いちばん確実で安全な方法です。


よくある質問

Q
生活保護を受けると、貯金は一切できないのですか?
A

いいえ。日々の生活費をやりくりして貯蓄すること自体は認められています。ただし、金額や目的によっては説明を求められたり、収入として扱われたりすることがあるため、まとまった貯蓄をする際は事前にケースワーカーへ相談すると安心です。

Q
働くと保護費が減って損をするのでは?
A

働いて得た収入がそのまま全額差し引かれるわけではありません。勤労控除の仕組みにより一定額が手元に残るため、働いた人のほうが使えるお金は多くなります。就労はむしろ推奨されています。

Q
車を持ったまま生活保護は受けられますか?
A

原則は保有・使用が認められず処分の対象ですが、障害のある方や公共交通機関の利用が著しく困難な地域で、通勤・通院などに必要な場合は、一定の要件を満たせば例外的に認められることがあります。福祉事務所の個別判断となるため、事前に相談してください。

Q
子どもを大学に進学させることはできますか?
A

できます。ただし進学する本人は原則として世帯分離という扱いになります。あわせて、進学・就職準備給付金として、転居する場合は30万円、自宅から通学する場合は10万円の一時金が支給されます。手続きは早めにケースワーカーへ相談しましょう。

Q
スマホやペットは持てますか?
A

どちらも所有・飼育は問題ありません。ただし通信料金や飼育費用は生活扶助のなかでやりくりする必要があります。

Q
加入している生命保険はどうなりますか?
A

原則は解約が求められますが、解約返戻金が少額で保険料の負担が軽い場合などは継続が認められることがあります。基準は福祉事務所の判断によります。保険金や解約返戻金を受け取った場合は必ず申告してください。


まとめ

生活保護を受けていても、働くこと・貯金・スマホの所有・子どもの進学など、できることは思っている以上に多くあります。車や生命保険のように「原則は制限があるが、条件を満たせば認められる」ものも少なくありません。

一方で、収入や資産の申告を怠ることは、不正受給につながる本当に注意すべき点です。そして、多くの判断は状況によって変わるグレーゾーンであり、自己判断で進めず、迷ったらケースワーカーに相談することが、安心して生活を立て直すための近道です。

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この記事の情報の根拠

  • 生活保護法(昭和25年法律第144号)
  • 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領」ほか各種通知
  • 厚生労働省「生活保護法による進学準備給付金の支給について」(進学・就職準備給付金)

本記事の情報は2026年7月時点のものです。制度改正や自治体ごとの運用により内容が変わる場合があるため、最新かつ個別の判断は厚生労働省・お住まいの自治体(福祉事務所)でご確認ください。


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