草加市で生活保護を受けながら部屋を探すとき、多くの人がぶつかるのが「家賃の上限に収まる物件が見つからない」という壁です。
草加市の住宅扶助の上限は、単身で43,000円。一方、市内の1Kの平均家賃はおよそ7.9万円です。数字だけを並べると絶望的に見えますが、これは駅から徒歩10分以内の物件を中心とした平均であり、条件の置き方を変えれば上限内の部屋は実際に募集されています。
このページでは、草加市で上限内の物件を見つけるための考え方と、保証会社・入居審査・代理納付といった契約までの実務を順に解説します。
草加市の家賃相場と住宅扶助上限の関係
まず、数字を正確に把握しておきます。
草加市の家賃相場
| 間取り | 平均家賃 |
|---|---|
| ワンルーム | 約7.0万円 |
| 1K | 約8.0万円 |
| 1DK | 約7.6万円 |
| 2DK | 約8.4万円 |
(不動産情報サイトの集計・2026年8月時点。駅徒歩10分以内の物件を中心とした平均)
住宅扶助の上限額
| 世帯人数 | 上限額 |
|---|---|
| 単身 | 43,000円 |
| 2人 | 52,000円 |
| 3〜5人 | 56,000円 |
| 6人 | 60,000円 |
| 7人以上 | 67,000円 |
単身で見ると、相場との差はおよそ3.7万円あります。この差をどう埋めるかが、草加市での部屋探しの実質的なテーマです。
なお草加市では、生活保護を利用している3,339世帯のうち3,015世帯(約9割)が住宅扶助を受けています。つまり同じ課題に向き合っている世帯が、市内に3,000以上あるということです。特別なケースではありません。
草加市は埼玉県内で特別安いわけではありません
草加市はほぼ全域が東武スカイツリーライン(伊勢崎線)沿線で、谷塚駅・草加駅・獨協大学前駅・新田駅の4駅を中心に住宅地が広がっています。都心へのアクセスがよく、埼玉県内では家賃が低いほうではありません。
| 市 | ワンルーム〜1DKの平均 |
|---|---|
| 草加市 | 約7.8万円 |
| 蕨市 | 約7.5万円 |
| 上尾市 | 約7.3万円 |
| 越谷市 | 約7.0万円 |
| 深谷市 | 約5.5万円 |
隣接する越谷市のほうがやや低い水準です。ただし越谷市も住宅扶助の上限は草加市と同じ43,000円なので、「隣の市に移れば楽になる」という単純な話にはなりません。
相場は「掲載されている物件の平均」であって、「一番安い物件の価格」ではありません。平均が8万円でも、4万円台の物件が募集されていないという意味ではありません。駅からの距離や築年数の条件を広げると、見える物件の帯が変わります。
生活保護受給者が借りられる物件の基本条件
条件1:家賃が住宅扶助の上限内であること
原則として、家賃が上限額を超える物件は認められません。すでに上限を超える家に住んでいる場合は、転居を指導されることがあります。
ただし判断は世帯の状況によって異なり、車いすを使用しているなど特別な事情がある場合は特別基準(単身で56,000円)が適用されることがあります。福祉事務所の判断によるもので、希望すれば通るものではありません。
条件2:共益費・管理費は住宅扶助の対象外
ここは物件選びに直接効いてくるポイントです。住宅扶助の対象は家賃だけで、共益費・管理費は生活扶助から支払うことになります。
| 物件 | 家賃 | 共益費 | 支出合計 | 住宅扶助の判定 |
|---|---|---|---|---|
| A | 45,000円 | 0円 | 45,000円 | 上限超過 |
| B | 43,000円 | 3,000円 | 46,000円 | 家賃部分は上限内 |
支出の総額はBのほうが多いのに、住宅扶助の対象としてはBが上限内になります。同じ予算感なら、共益費込みの家賃表示になっている物件のほうが有利です。物件を比べるときは「家賃」と「共益費」を分けて見てください。
条件3:単身の場合は床面積で上限が下がることがある
単身世帯では、居室の床面積によって上限額が減額されます。
| 床面積 | 上限額 |
|---|---|
| 15㎡超 | 43,000円 |
| 11〜15㎡ | 39,000円 |
| 7〜10㎡ | 34,000円 |
| 6㎡以下 | 30,000円 |
一般的なワンルームや1Kは、居室にキッチンや浴室を合わせると15㎡を超えることがほとんどです。この減額が実際に効いてくるのは簡易宿泊所のような物件で、通常の賃貸を探す場合は43,000円で考えて差し支えありません。
条件4:契約前にケースワーカーへ相談すること
これが最も重要です。転居については、草加市も「必ず事前にご相談ください」と明記しています。
契約してから報告しても、敷金などの費用が支給されない場合があります。気になる物件が見つかった段階で、家賃・共益費・敷金・礼金が分かる資料を持って地区担当員(ケースワーカー)に相談してください。
保証会社3系統の特徴と選び方
いまの賃貸契約では、連帯保証人の代わりに家賃保証会社を使うのが一般的です。保証会社は大きく3つの系統に分かれ、審査で見るところが違います。
| 系統 | 審査で主に見るもの | 生活保護受給者との相性 |
|---|---|---|
| 独立系 | 独自の基準。本人確認と支払い能力 | 比較的通りやすい |
| 信販系 | クレジットカードの利用履歴・信用情報 | 過去の延滞があると厳しい |
| LICC系 | 加盟会社間で共有される家賃滞納の履歴 | 過去の家賃滞納があると厳しい |
生活保護を受けていること自体が審査に落ちる理由になるわけではありません。問題になるのは主に過去の支払い履歴です。過去にクレジットカードや家賃の延滞があると、信販系やLICC系では影響が出ます。
どの系統の保証会社を使うかは、多くの場合その物件の管理会社が決めています。自分で選べるとは限らないため、過去に延滞があるなら、その事情を含めて相談できる不動産会社に当たることが現実的な近道になります。
なお、家賃保証料は住宅扶助の対象です。草加市も住宅扶助の対象費用として家賃保証料を挙げています。
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住宅扶助上限内チェック診断
気になっている物件が住宅扶助上限の範囲内かどうか、1分でチェックできます。床面積別逓減や共益費の取り扱いも含めて自動判定されます。
引越し費用として支給されるもの
転居が必要と認められた場合、引越しにかかる費用が一時扶助として支給されることがあります。対象になりうるのは、敷金・礼金・仲介手数料・火災保険料・鍵の交換費用・荷物の運搬費などです。
敷金などの支給額には上限があり、住宅扶助の特別基準額の3倍が目安とされています。ただし世帯の状況や転居の理由によって扱いが変わるため、金額を自分で計算して当てにするのは避けてください。
支給されるかどうかは、転居が必要と認められるかどうかで決まります。自己都合の引越しは対象になりません。また、契約を済ませてから申請しても支給されない場合があります。必ず契約前に相談してください。
契約時に何にお金がかかるのか
引越しの費用が「いくらかかるのか」を把握しておくと、相談もしやすくなります。賃貸契約で発生するのは、おおむね次の項目です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 敷金 | 退去時の原状回復などに充てられる預け金 |
| 礼金 | 大家さんに支払う一時金(無い物件もある) |
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う手数料 |
| 前家賃 | 入居する月と翌月分の家賃 |
| 火災保険料 | 契約期間分をまとめて支払うのが一般的 |
| 鍵の交換費用 | 前の入居者の鍵を使わないための交換代 |
| 保証委託料 | 保証会社に支払う初回の費用 |
このうち何が支給の対象になるかは、転居の理由と世帯の状況によって変わります。全額が出るとは限りません。逆に、礼金や鍵交換費用が不要な物件を選べば、そもそも必要な金額が下がります。物件を比べるときは、家賃だけでなく初期費用の合計でも見比べてください。
入居後にかかる費用の扱い
入居してからも、契約更新料や、設備の不具合による修理費が発生することがあります。草加市が住宅扶助の対象として挙げているのは、家賃・契約の更新料・家賃保証料・住宅を維持するための補修費です。
一方、共益費・管理費は対象外で生活扶助から支払います。毎月の負担として効いてくるため、物件選びの段階から意識しておくと後が楽になります。
支給の対象となるケースの詳細
支給の対象となるケースや必要な手続きの詳細は、全国共通の解説をご覧ください。
なお、いま住んでいる部屋の契約更新料も住宅扶助の対象です。こちらも臨時の支出になるため、更新の時期が近づいたら事前に申請してください。見積書や領収書が必要になります。
代理納付制度の活用
代理納付は、家賃を福祉事務所が大家さんへ直接支払う制度です。受給者の口座を経由しないため、家賃が滞納されるリスクが構造的になくなります。
このことは、大家さんや保証会社から見ると入居を受け入れやすい条件になります。実務上、代理納付に対応していることを伝えると審査が通りやすくなる場面は少なくありません。物件を探すときに使える、数少ない「こちらから出せるカード」です。
制度の仕組みや申請方法は、全国共通の解説にまとめています。
代理納付をどう伝えるか
代理納付は、こちらから説明しないと相手に伝わりません。物件を紹介してもらう段階で、次の3点を簡潔に伝えておくと話が早く進みます。
- 生活保護を受給していること
- 家賃は代理納付で福祉事務所から直接支払われる見込みであること
- 受給証明書を提出できること
大家さんや管理会社が気にしているのは「家賃が滞らないか」です。その不安に対する具体的な答えを最初に示せるかどうかで、紹介してもらえる物件の数が変わります。
なお代理納付を利用するにはケースワーカーへの相談が必要で、すべてのケースで使えるとは限りません。「使えます」と断定して契約を進めず、先に福祉事務所へ確認してください。
草加市で物件を探すときのコツ
コツ1:検索条件を「駅徒歩」から緩める
草加市の相場が高く見える最大の理由は、駅近の物件が平均を押し上げているためです。駅から徒歩15分以上、あるいはバス便のエリアまで広げると、見える価格帯が変わります。
草加市は市域が平坦で自転車が使いやすい地域です。駅からの距離を許容できるかどうかで、選べる物件数は大きく変わります。
コツ2:築年数の条件を外す
築年数の新しい物件は、同じ広さでも家賃が数万円変わります。上限43,000円で探す場合、築年数を条件から外すことがほぼ前提になります。設備の古さと家賃のどちらを優先するかを、あらかじめ決めておくと探しやすくなります。
コツ3:共益費込みの表示を優先する
前述のとおり、共益費は住宅扶助の対象外です。同じ支出額なら、共益費込みの家賃表示になっている物件のほうが住宅扶助の判定で有利になります。
コツ4:内見の前に上限内かどうかを確かめる
気に入った物件が上限内かどうかは、床面積や共益費の扱いも絡むため、家賃の数字だけでは判断しきれないことがあります。内見や申し込みに進む前に確認しておくと、手戻りが減ります。
コツ5:受給証明書を用意しておく
不動産会社によっては、生活保護を受けていることの確認として受給証明書の提出を求められます。草加市福祉事務所(生活支援課)で発行してもらえます。
入居審査を通るための準備
よくある失敗と、その避け方
先に、相談を受けることの多いつまずき方を挙げておきます。
| よくある失敗 | どうなるか | 避け方 |
|---|---|---|
| 契約してからケースワーカーに報告した | 敷金などの費用が支給されないことがある | 物件が決まりそうな段階で相談する |
| 家賃が上限ちょうどの物件で共益費を見落とした | 毎月の生活費から共益費が出ていく | 家賃と共益費を分けて確認する |
| 自己都合で引っ越そうとした | 転居費用の対象にならない | 転居が必要と認められる理由があるかを先に相談する |
| 生活保護を受けていることを伝えずに内見を重ねた | 申し込み段階で断られ、時間を無駄にする | 最初に伝えて、受け入れ可能な物件だけを見る |
| 駅徒歩10分以内で探し続けた | 上限内の物件がほぼ出てこない | 徒歩15分以上・バス便まで広げる |
共通しているのは、あとから取り返せない順序で動いてしまうことです。契約と申請の順序だけは間違えないようにしてください。
審査で見られている2つのこと
入居審査で見られるのは、大きく分けて「家賃を払い続けられるか」と「連絡が取れるか」の2点です。
家賃の支払い能力
生活保護を受けている場合、収入が不安定という意味での不安は小さくなります。代理納付を使えば、家賃は福祉事務所から直接支払われるためです。この点は積極的に伝えてください。
連帯保証人・緊急連絡先
連帯保証人を立てられない場合でも、保証会社を利用すれば契約できる物件は多くあります。ただし緊急連絡先は、保証会社を使う場合でも求められるのが一般的です。親族に頼めない事情がある場合は、その旨を早めに不動産会社へ伝えておくと、対応できる物件を探してもらいやすくなります。
保証人を立てられない場合の進め方や、審査で落ちる理由と対策は、全国共通の解説をご覧ください。
断られたときに落ち込まないこと
物件のオーナーが入居者の条件を決めているため、すべての物件が生活保護受給者を受け入れているわけではありません。断られることは珍しくなく、それは申し込んだ人の問題ではありません。受け入れ実績のある物件を扱っている不動産会社に相談するほうが、結果的に早く決まります。
よくある質問
- Q草加市で家賃43,000円以下の物件は本当にありますか?
- A
あります。ただし駅から徒歩10分以内・築浅といった条件では見つかりにくくなります。駅からの距離や築年数の条件を広げると、上限内の物件が見えてきます。相場の平均が約8万円というのは掲載物件全体の平均であり、最安値ではありません。
- Q共益費は住宅扶助から出ますか?
- A
出ません。住宅扶助の対象は家賃で、共益費・管理費は生活扶助から支払います。そのため「家賃43,000円+共益費3,000円」は家賃部分が上限内、「家賃45,000円+共益費0円」は上限超過という判定になります。支出総額が同じでも扱いが変わります。
- Qいま住んでいる家の家賃が上限を超えています。すぐに引っ越さないといけませんか?
- A
原則として転居を指導されますが、判断は世帯の状況によって異なります。自己判断で引っ越すと、敷金などの費用が支給されない場合があります。まずケースワーカーに相談してください。
- Q敷金や礼金は支給されますか?
- A
転居が必要と認められた場合、敷金・礼金・仲介手数料・運搬費などが一時扶助として支給されることがあります。支給額には上限があり、住宅扶助の特別基準額の3倍が目安です。契約前の申請が必要なので、物件が決まりそうな段階で相談してください。
- Q保証人がいなくても契約できますか?
- A
保証会社を利用すれば契約できる物件は多くあります。ただし緊急連絡先は求められるのが一般的です。親族に頼めない事情がある場合は、早めに不動産会社へ伝えておくと対応しやすくなります。
- Q代理納付を使うと審査に有利ですか?
- A
家賃が福祉事務所から大家さんへ直接支払われるため、滞納のリスクがなくなります。大家さんや保証会社から見て受け入れやすい条件になるため、伝えておく価値があります。利用にはケースワーカーへの相談が必要です。
- Q生活保護を受けていることは不動産会社に伝えるべきですか?
- A
伝えてください。受け入れ可能な物件は限られるため、最初に伝えたほうが無駄な内見を減らせます。受給証明書の提出を求められることもあり、草加市福祉事務所(生活支援課・048-922-1245)で発行してもらえます。
- Q草加市から他の市へ引っ越すことはできますか?
- A
できますが、転居には福祉事務所への事前相談が必要です。転居先の市町村が変わる場合、住宅扶助の上限額も変わります。たとえば川口市は1級地で単身47,700円、川越市は中核市の個別基準で42,000円と、市によって異なります。
まとめ
草加市で生活保護を受けながら賃貸を借りるときのポイントを整理します。
- 草加市の住宅扶助の上限は単身43,000円。1Kの平均家賃は約8.0万円で、差は約3.7万円
- 相場の平均は掲載物件の平均であり、駅距離と築年数の条件を広げれば上限内の物件はある
- 共益費は住宅扶助の対象外。同じ支出額なら共益費込みの家賃表示が有利
- 保証会社は独立系・信販系・LICC系の3系統。落ちる理由は生活保護そのものではなく過去の支払い履歴
- 代理納付を使えば家賃は福祉事務所から直接支払われ、審査で有利に働く
- 敷金などの引越し費用は、転居が必要と認められた場合に一時扶助の対象。契約前の相談が必須
- 転居は草加市も「必ず事前にご相談ください」と明記している
上限内の物件を探すのは簡単ではありませんが、条件の置き方と伝え方で結果は変わります。
みまもり不動産は、生活保護を受給されている方の住まい探しをサポートしています。草加市を含む埼玉県内で、住宅扶助の範囲に収まる物件と、受け入れ実績のある物件をお探しします。
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