大和市は厚生労働省が定める級地区分で1級地-1に該当し、単身世帯の住宅扶助上限は41,000円です。同じ神奈川県内の1級地-1でも、政令指定都市である横浜市(52,000円)・川崎市(53,700円)とは水準が異なります。
生活扶助は令和8年4月の基準にもとづき、単身30代で月額76,420円、住宅扶助を満額利用した場合の総支給額は月額117,420円となります。世帯構成・年齢・加算の該当状況で金額は大きく変わるため、本記事では4つのモデルケースで内訳を示します。あわせて、最高裁判決にもとづく追加給付についても大和市の公表情報で解説します。
大和市の生活保護費は何で構成されているのか
生活保護費は、国が定める基準で計算した最低生活費と、世帯の収入を比べ、収入が下回る場合にその不足分が支給される仕組みです。大和市も「毎月支給される生活保護費は、国の定める基準によって計算された世帯の最低生活費とあなたの世帯の収入とをくらべて、収入の方が少ない場合に、その少ない分を支給します」と説明しています。
最低生活費は8種類の扶助で構成されます。すべての世帯が全項目を受けるわけではなく、世帯構成・年齢・健康状態・子どもの有無によって支給される項目が決まります。
このうち毎月定額で支給される中心は「生活扶助」と「住宅扶助」です。大和市の場合、この2つを合わせた単身世帯の月額は最大で約117,000円になります。医療扶助・介護扶助は現物給付(医療機関や介護事業所への直接支払い)で、受給者本人の手元に現金が入るわけではありません。
これらに加えて、ひとり親世帯や障害のある方がいる世帯には各種の加算が、小学校入学時などには一時扶助が支給されます。
大和市は1級地-1 | 神奈川県内の級地と首都圏4市の比較
大和市は厚生労働大臣告示により1級地-1に分類されています。大和市自身も「保健と福祉」で「大和市は1級地の1」と明記しています。
神奈川県内の級地区分
| 級地 | 神奈川県内の自治体 |
|---|---|
| 1級地-1 | 横浜市・川崎市・藤沢市・鎌倉市・逗子市・大和市・葉山町(7) |
| 1級地-2 | 横須賀市・相模原市・平塚市・小田原市・茅ヶ崎市・秦野市・厚木市・座間市・三浦市(9) |
| 2級地-1 | 伊勢原市・海老名市・南足柄市・綾瀬市ほか9町(13) |
| 3級地-1 | 中井町・山北町・愛川町・清川村(4) |
神奈川県に2級地-2と3級地-2は存在しません。上記4区分で県内全33自治体が埋まります。
生活扶助は級地で、住宅扶助は3区分と個別告示で決まる
ここが誤解されやすい点です。生活扶助と住宅扶助では、金額の決まり方が違います。
神奈川県の住宅扶助は1級地・2級地・3級地のすべてで同額(単身41,000円)です。横浜市・川崎市・横須賀市・相模原市といった政令市・中核市のみが個別告示を持ち、別の水準になります。大和市は個別告示を持たないため、神奈川県の一般基準がそのまま適用されます。
首都圏4自治体の比較(単身世帯)
| 自治体 | 級地 | 住宅扶助上限 | 生活扶助(30代単身) |
|---|---|---|---|
| 川崎市 | 1級地-1 | 53,700円 | 76,420円 |
| 横浜市 | 1級地-1 | 52,000円 | 76,420円 |
| 大和市 | 1級地-1 | 41,000円 | 76,420円 |
| 千葉市 | 1級地-2 | 41,000円 | 74,810円 |
大和市の生活扶助は、1級地-1として横浜市・川崎市とまったく同額です。差がつくのは住宅扶助のほうで、これは政令市が個別告示を持つためです。一方、千葉市は級地が1級地-2のため生活扶助が1,610円低く、住宅扶助は大和市と同額になります。
大和市の住宅扶助上限額(世帯人数別・床面積別・特別基準)
大和市の住宅扶助は神奈川県の一般基準が適用されます。以下はすべて厚生労働省告示の実額です。
通常基準(世帯人数別)
| 世帯人数 | 上限額 |
|---|---|
| 単身(1人) | 41,000円 |
| 2人世帯 | 49,000円 |
| 3〜5人世帯 | 53,000円 |
| 6人世帯 | 57,000円 |
| 7人以上世帯 | 64,000円 |
対象となるのは家賃本体のみです。共益費・管理費・町内会費・駐車場代は住宅扶助の対象外で、家賃と別に請求される物件は合計額で判断されます。
特別基準(世帯人数別)
通常基準内で物件が見つからない場合や、障害等で広い居室が必要な場合には、特別基準が適用されることがあります。
| 世帯人数 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人 | 7人以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 上限額 | 53,000 | 57,000 | 62,000 | 66,000 | 70,000 | 70,000 | 74,000 |
単身の特別基準53,000円は、3〜5人世帯の通常基準と同額です。ただし適用にはケースワーカーの判断が必要で、誰でも自動的に適用されるわけではありません。物件を決める前に必ず相談してください。
床面積別の減額(単身世帯)
| 床面積 | 単身世帯の上限額 |
|---|---|
| 16㎡以上 | 41,000円(通常基準) |
| 11〜15㎡ | 37,000円 |
| 7〜10㎡ | 33,000円 |
| 6㎡以下 | 29,000円 |
一般的なワンルームや1Kは16〜20㎡程度が多いため、通常は満額が適用されます。築古のアパートや簡易宿泊所は面積が狭い場合があるため、契約前の確認が必要です。
世帯人数別の詳細は大和市の住宅扶助限度額で解説しています。
大和市の生活扶助【4つのモデルケース】
大和市で実際に支給される生活扶助の月額を、4つの代表的な世帯で示します。すべて令和8年4月からの基準額にもとづき、次の式で算出しています。
生活扶助 =(世帯員それぞれの第1類基準額の合計 × 世帯人員に応じた逓減率)+ 世帯人員に応じた第2類基準額 + 特例加算 + 経過的加算
※逓減率を掛けるのは第1類の合計のみで、第2類には掛けません。第2類は級地によって額が変わらず、世帯人員だけで決まります。
モデル1:単身世帯(35歳)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 第1類(20〜40歳・1級地-1) | 46,930円 |
| 逓減率(1人世帯) | ×1.0000 |
| 第2類(1人世帯) | 27,790円 |
| 特例加算(1人分) | 1,500円 |
| 経過的加算(単身・20〜40歳) | 200円 |
| 生活扶助 計 | 76,420円 |
| 住宅扶助(上限) | 41,000円 |
| 支給総額 | 117,420円 |
医療費は医療扶助で現物給付されるため、上記には含まれません。冬季(11月〜3月)はこれに冬季加算2,630円が上乗せされます。
モデル2:単身高齢者世帯(72歳)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 第1類(70〜74歳・1級地-1) | 46,460円 |
| 逓減率(1人世帯) | ×1.0000 |
| 第2類(1人世帯) | 27,790円 |
| 特例加算(1人分) | 1,500円 |
| 経過的加算(単身・70〜74歳) | 0円 |
| 生活扶助 計 | 75,750円 |
| 住宅扶助(上限) | 41,000円 |
| 支給総額 | 116,750円 |
高齢者の方は年齢区分にご注意ください。同じ「70代」でも、65〜69歳には経過的加算1,130円が付き、70〜74歳には付きません。また75歳以上になると第1類が39,890円に下がります。「65歳以上」とひとくくりにすると額を誤ります。
モデル3:母子3人世帯(母35歳+小学生9歳+4歳児)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 第1類 合計(46,930+46,460+44,580) | 137,970円 |
| 逓減率(3人世帯) | ×0.7500 |
| 第1類 小計 | 103,477円 |
| 第2類(3人世帯) | 44,730円 |
| 特例加算(3人分) | 4,500円 |
| 経過的加算(3人世帯・母20〜40歳) | 170円 |
| 生活扶助 計 | 152,877円 |
| 児童養育加算(2人分) | 20,380円 |
| 母子加算(1級地・子2人) | 23,600円 |
| 住宅扶助(3〜5人世帯上限) | 53,000円 |
| 支給総額 | 249,857円 |
小学生の教育扶助(学用品費・給食費など)は実費で別途支給されます。修学旅行費・卒業アルバム代なども教育扶助の対象です。
モデル4:標準3人世帯(夫35歳+妻33歳+小学生9歳)
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 第1類 合計(46,930+46,930+46,460) | 140,320円 |
| 逓減率(3人世帯) | ×0.7500 |
| 第1類 小計 | 105,240円 |
| 第2類(3人世帯) | 44,730円 |
| 特例加算(3人分) | 4,500円 |
| 経過的加算(3人世帯・20〜40歳×2) | 340円 |
| 生活扶助 計 | 154,810円 |
| 児童養育加算(1人分) | 10,190円 |
| 住宅扶助(3〜5人世帯上限) | 53,000円 |
| 支給総額 | 218,000円 |
夫婦のどちらかが働ける状態であれば、勤労収入に応じて勤労控除(基礎控除など)が適用され、収入の一部は手元に残る仕組みです。
上記はいずれも目安です。実際の額は世帯員の年齢・健康状態・就労収入・加算の該当状況によって変わります。とくに経過的加算は世帯構成ごとに細かく定められており、該当しない世帯のほうが多くなっています。正確な額は大和市生活援護課の算定によって決まります。
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各種加算制度の早見表
生活扶助の本体に上乗せされる加算があります。大和市は1級地のため、以下は1級地の額です。
児童養育加算(全国一律)
18歳到達後最初の3月末までの児童を養育する世帯に支給されます。級地差はなく全国一律で児童1人あたり月10,190円です。
母子加算(ひとり親加算)
| 子の人数 | 大和市(1級地) |
|---|---|
| 1人 | 18,800円 |
| 2人 | 23,600円 |
| 3人 | 26,500円 |
| 4人 | 29,400円 |
ひとり親世帯(母子・父子)が対象です。3人目以降は1人につき2,900円ずつ加算されます。
障害者加算
| 障害の程度 | 大和市(1級地) |
|---|---|
| 身体障害1〜2級・障害年金1級 | 27,460円 |
| 身体障害3級・障害年金2級 | 18,300円 |
この額は令和8年4月に改定されたものです(改定前は26,810円)。古い情報を掲載しているサイトが多いためご注意ください。入院中や施設入所中は別の基準が適用されます。
障害者加算と母子加算は、同じ方が両方の要件に当てはまる場合に限り、いずれか高いほうの額が算定されます(同額のときはどちらか一方)。世帯のなかの別々の方がそれぞれ該当する場合は、両方とも算定されます。ひとり親ご本人に障害がある場合が前者、お子さんに障害がある場合が後者にあたります。ご自身のケースがどちらにあたるかは、福祉事務所にご確認ください。
その他の加算
妊産婦加算・在宅患者加算・介護施設入所者加算については、厚生労働省が公表している令和8年4月の算出方法資料に額の記載がないため、本記事では金額を掲載していません。該当する可能性がある方は、大和市生活援護課(046-260-5615)に直接ご確認ください。他サイトに掲載されている額は古い基準の場合があります。
特例加算(物価高への対応)
物価高への対応として、生活扶助に特例加算が上乗せされています。世帯人員1人あたりの定額で、大和市も含め全国一律です。
| 期間 | 特例加算(1人あたり月額) |
|---|---|
| 2025年10月〜(現行) | 1,500円 |
3人世帯であれば1,500円×3人=月4,500円が生活扶助に加わります。本記事のモデルケースにもこの額を含めています。
2026年10月以降の額については、増額が予定されているとする報道がありますが、厚生労働省の一次資料で確定できなかったため本記事では金額を掲載していません。確定した情報は大和市の広報や厚生労働省のサイトでご確認ください。
冬季加算(大和市はⅥ区)
寒冷地の暖房費を補う冬季加算は、地域別にⅠ区〜Ⅵ区の6段階に分かれています。大和市はⅥ区で、11月から翌年3月までの5か月間支給されます。
| 世帯人数 | 大和市の冬季加算(月額) |
|---|---|
| 単身 | 2,630円 |
| 2人世帯 | 3,730円 |
| 3人世帯 | 4,240円 |
| 4人世帯 | 4,580円 |
これらは大和市が「保健と福祉」で公表しているモデルケースの値です。北海道(Ⅰ区)の単身世帯が月12,780円・7か月支給であるのと比べると、関東の冬季加算は控えめな水準ですが、厳寒期の電気代・ガス代の負担軽減に役立ちます。
なお大和市が公表する最低生活費のモデルでは、冬季加算を5か月分に均した年平均額が生活扶助に含めて表示されています。市の資料をそのまま「毎月の生活扶助」として読むと、冬季以外の月は実際より多く見える点にご注意ください。
最高裁判決にもとづく追加給付
2025年(令和7年)6月27日、最高裁判所は平成25年から3年かけて実施された生活扶助基準の引き下げについて、「デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があった」と指摘し、違法と判断しました。
この判決を受け、厚生労働省は学識経験者による専門委員会の報告書(令和7年11月)を踏まえ、従来の水準と新たな水準との差額を追加給付することを決定しました。大和市も国の方針にもとづき追加給付を行います。
対象となる世帯と給付率
対象は平成25年8月1日から令和8年3月31日までの間に生活保護を利用していた世帯です。すでに生活保護を利用していない世帯も、当該期間に利用していれば対象になります。
追加給付率(厚生労働省)
| 期間 | 追加給付率 |
|---|---|
| 平成25年8月〜平成26年3月 | +0.8% |
| 平成26年4月〜平成27年3月 | +1.6% |
| 平成27年4月〜 | +2.4% |
| 期末一時扶助(平成25年8月〜令和8年3月) | +2.4% |
支給額は、当時の年齢・世帯人数・保護を利用していた期間・加算の有無によって一人ひとり異なります。上記の給付率を当時の基準生活費に掛けて算定されるため、受給期間が長い世帯ほど額は大きくなります。
追加給付は収入認定の対象になりません。受け取っても、その後の保護費が減らされることはありません(ただし保有が認められない物品の購入等は認められません)。
大和市の手続きと支給時期
大和市は専用ページで次のように案内しています。
大和市で受給中にもかかわらず追加給付が届いていない場合や、世帯の状況が変わっている場合(世帯員が過去に転出したなど)は、生活援護係へお問い合わせください。
国の相談窓口
制度そのものについては、国が設けた窓口でも相談できます。令和8年3月2日に生活保護費追加給付コールセンターが、同年3月30日に厚生労働省の追加給付相談センターが開設されました。
ただし電話では本人確認ができないため、「自分が対象か」「いくら支給されるか」といった個人に関わる質問には答えられません。ご自身の対象可否と金額は、大和市生活援護課にお問い合わせください。
よくある質問
- Q大和市の生活保護はいくらもらえますか?
- A
住宅扶助を上限まで利用した場合の目安は、単身30代で月117,420円、単身高齢者(72歳)で月116,750円、母子3人世帯で月249,857円、標準3人世帯で月218,000円です(令和8年4月基準)。世帯員の年齢・就労収入・加算の該当状況で変わるため、正確な額は生活援護課の算定によります。
- Q大和市の住宅扶助はいくらですか?
- A
単身41,000円、2人49,000円、3〜5人53,000円、6人57,000円、7人以上64,000円です。要件に該当する場合の特別基準は単身53,000円まで引き上げられます。床面積が15㎡以下の物件は段階的に減額されます。
- Q大和市は1級地-1なのに住宅扶助が低いのはなぜですか?
- A
住宅扶助は級地の3区分(1級地/2級地/3級地)で決まり、神奈川県はこの3区分すべてが同額です。横浜市52,000円・川崎市53,700円が高いのは、政令指定都市として個別告示を持つためで、級地が違うからではありません。一方 生活扶助は級地の6区分で決まるため、大和市は横浜市・川崎市と同額です。
- Q障害者加算と母子加算は両方もらえますか?
- A
どなたが該当するかによります。世帯のなかの別々の方がそれぞれ該当する場合(お子さんに障害があり、親御さんがひとり親である場合など)は両方とも算定されます。同じ方が両方の要件に当てはまる場合(ひとり親ご本人に障害がある場合など)は、いずれか高いほうの額が算定されます。詳しくは福祉事務所にご確認ください。
- Q高齢者の受給額は何歳から変わりますか?
- A
第1類の年齢区分は60〜64歳・65〜69歳・70〜74歳・75歳以上と細かく分かれています。1級地-1では60〜64歳が46,930円、65〜74歳が46,460円、75歳以上は39,890円と差があります。さらに単身世帯の経過的加算は65〜69歳のみ1,130円が付き、70〜74歳は0円です。「65歳以上」とひとくくりにすると額を誤ります。
- Q最高裁判決の追加給付はいつもらえますか?
- A
大和市で現在受給中の世帯への支給時期は、市の公表で令和8年5月下旬〜6月中旬頃の予定とされていました。申出は不要です。現在は受給していない世帯は、当時受給していた自治体への申出が必要で、国から令和8年夏頃の受付開始予定と示されています。大和市の手続きの詳細は決まり次第 市のホームページで案内されます。
- Q大和市の生活保護費の支給日はいつですか?
- A
大和市は生活保護費の支給日を公表していません。市の「生活保護のしおり」には「決定通知書にあなたが受け取る保護費や支給される日時・場所などが書かれています」と記載されており、支給日と支給方法は保護開始決定通知書で個別に案内される運用です。具体的な日程は担当の地区担当員にご確認ください。
まとめ
大和市の生活保護費は、1級地-1の生活扶助(単身30代76,420円)と神奈川県基準の住宅扶助(単身41,000円)が組み合わさり、単身世帯で月額約117,000円が標準的な水準です。横浜市・川崎市と同じ1級地-1でありながら住宅扶助だけが低いのは、政令市が個別告示を持つためです。
大和市内で住宅扶助の範囲内・初期費用ゼロで入居できる物件をお探しの方は、みまもり不動産までお気軽にご相談ください。
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