この記事は、神奈川県南足柄市で生活保護を使いたいと考えている方と、受給しながら市内や近くの町で住まいを探したい方のためのガイドです。世帯の形ごとの支給額と計算の手順、冬と12月に増える分、市役所の窓口、隣の町へ移るときの注意まで、順を追って説明します。
南足柄市の級地区分は2級地-1です。収入がない35歳の単身世帯なら、ひと月の最低生活費は114,930円(生活扶助73,930円+住宅扶助41,000円)が目安になります。家賃にあてる住宅扶助の上限は単身で月41,000円。神奈川県の基準は級地によって額が変わらないため、隣の小田原市や開成町に移っても家賃の上限は変わりません(級地が違えば生活扶助の額が変わり、担当する福祉事務所も変わります)。
生活保護の相談と申請は、市役所1階の福祉課 生活援護班(電話0465-73-8022)が受け付けています。記事内の金額は、厚生労働省の告示「生活保護法による保護の基準」のうち、令和8年(2026年)10月1日から適用される額で計算しました。
南足柄市の生活保護の概要
まず、南足柄市で生活保護を考えるときに知っておきたい数字と窓口を一覧にします。
| 級地区分 | 2級地-1(神奈川県では伊勢原市・海老名市・綾瀬市、開成町・箱根町などと同じ区分) |
| 住宅扶助の上限(単身) | 月41,000円(神奈川県の基準・級地による差はない) |
| 最低生活費の目安(35歳・単身・収入なし) | 月114,930円(生活扶助73,930円+住宅扶助41,000円) |
| 相談・申請の窓口 | 福祉課 生活援護班(市役所1階) |
| 市の人口・世帯数 | 38,703人・16,884世帯(令和8年9月1日現在の推計) |
| 生活保護を受けている人の割合 | 人口1,000人あたり10.87人(令和7年3月時点・県内33市町村のうち高いほうから22番目) |
| 市内の鉄道駅 | 伊豆箱根鉄道大雄山線の相模沼田駅・岩原駅・塚原駅・和田河原駅・富士フイルム前駅・大雄山駅 |
2級地-1とはどんな区分か
生活保護の基準額は、地域による生活費の違いを反映させるため、市町村を級地と呼ばれる6つの段階に分けて決められています。南足柄市は上から3番目の2級地-1です。神奈川県の市町村は4つの段階に分かれていて、1級地-1が横浜市・川崎市など7市町、1級地-2が小田原市・秦野市など9市、2級地-1が南足柄市を含む4市9町、3級地-1が山北町・中井町など4町村です。県内で2級地-1に当たる市は、南足柄市のほかに伊勢原市・海老名市・綾瀬市の3市しかありません。
級地の違いで額が変わるのは、主に生活扶助です。家賃にあてる住宅扶助の上限は、都道府県・政令指定都市・中核市ごとに厚生労働大臣が定めていて、神奈川県の基準は1級地・2級地・3級地のどれでも同じ額です。南足柄市にもこの額が使われ、単身なら41,000円です(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市には、県とは別に額が定められています)。
周りの市町と比べると、次のようになります(35歳・単身・収入なし・令和8年10月からの基準)。
| 市町 | 級地区分 | 最低生活費の目安(月額) | 生活保護の担当 |
|---|---|---|---|
| 南足柄市 | 2級地-1 | 114,930円 | 南足柄市(福祉課) |
| 開成町(東隣) | 2級地-1 | 114,930円 | 県の小田原保健福祉事務所 足柄上センター |
| 山北町(北隣) | 3級地-1 | 112,580円 | 県の小田原保健福祉事務所 足柄上センター |
| 小田原市(南東) | 1級地-2 | 116,810円 | 小田原市 |
| 箱根町(南) | 2級地-1 | 114,930円 | 県の小田原保健福祉事務所 |
家賃の上限は、どの市町でも単身41,000円で変わりません。差が出るのは生活扶助で、1級地-2の小田原市は南足柄市より1,880円高く、3級地-1の山北町は2,350円低くなります。もう一つ見落としやすいのが担当の窓口です。開成町・山北町・箱根町に住む方の生活保護は、町役場ではなく県の保健福祉事務所が受け持っています。たとえば開成町や山北町へ移ると、担当は開成町吉田島にある小田原保健福祉事務所の足柄上センターに変わります。小田原市の詳しい情報は、小田原市の生活保護完全ガイドで紹介しています。

南足柄市は、北を山北町、東を開成町、南東から南を小田原市と箱根町に囲まれています。どこへ移っても家賃の上限は同じですが、市や町の境を越えると担当の福祉事務所が変わります。候補の部屋が見つかったら、申し込む前に生活援護班へ相談しておくと安心です。
南足柄市で生活保護を受けている人の割合
神奈川県の資料「神奈川県の生活保護(令和6年度版)」によると、南足柄市の保護率(人口に占める受給している人の割合)は、令和7年3月時点で人口1,000人あたり10.87人(10.87‰)です。県内33市町村のうち高いほうから22番目で、およそ92人に1人が受給している計算になります。
近くの市町と並べると、南足柄市の割合は小田原市や箱根町より低く、山北町や開成町よりは高い水準です。
| 市町 | 保護率(人口1,000人あたり) | 県内の順位 |
|---|---|---|
| 箱根町 | 20.71人 | 2位 |
| 小田原市 | 18.93人 | 6位 |
| 南足柄市 | 10.87人 | 22位 |
| 山北町 | 9.37人 | 26位 |
| 開成町 | 7.80人 | 28位 |
いずれも令和7年3月時点の値で、県の資料の表「神奈川県の保護率」から取っています。
南足柄市の生活保護はいくら?世帯別の受給額
下の表は、2級地-1の南足柄市で生活保護を受けたときの、ひと月の金額を世帯の形ごとに試算したものです。どの世帯も収入がなく、家賃が住宅扶助の上限と同じ額の部屋に住んでいるものとして、令和8年10月1日から適用される基準で計算しました。
| 世帯の例 | 生活扶助 | 加算・教育扶助 | 住宅扶助 | 合計(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 35歳・単身 | 73,930円 | — | 41,000円 | 114,930円 |
| 72歳・単身 | 73,490円 | — | 41,000円 | 114,490円 |
| 78歳・単身 | 67,390円 | — | 41,000円 | 108,390円 |
| 50歳・単身(障害者加算・1級または2級相当) | 73,930円 | 25,540円 | 41,000円 | 140,470円 |
| 夫婦2人(72歳・70歳) | 118,230円 | — | 49,000円 | 167,230円 |
| 母子3人(母35歳・小学生8歳・4歳) | 148,460円 | 45,580円 | 53,000円 | 247,040円 |
| 夫婦と小学生(35歳・35歳・8歳) | 150,090円 | 13,590円 | 53,000円 | 216,680円 |
「加算・教育扶助」の欄の中身です。50歳の単身の方は障害者加算25,540円(身体障害者障害程度等級表の1級・2級に当たる場合など)。母子3人の世帯は、母子加算21,800円、児童養育加算20,380円(10,190円×2人)、小学生の教育扶助3,400円を足した額で、夫婦と小学生の世帯は児童養育加算10,190円と教育扶助3,400円です。教育扶助には小学生の基準額だけを入れていて、教材代や給食費などは必要に応じて別に加わります。
ここに示したのは、あくまで目安です。実際に支給される額は、収入や資産、障害や病気の状況などで世帯ごとに変わるので、生活援護班での相談で確かめてください。
ひとり暮らしの場合は、年齢で3つの段階に分かれる
単身世帯の金額は、第1類(食費や衣類など、1人ひとりにかかる生活費)が年齢で変わるため、南足柄市では次の3つの段階に分かれます。
| 年齢 | 第1類 | 生活扶助 | 合計(住宅扶助41,000円を含む) |
|---|---|---|---|
| 18〜64歳 | 43,640円 | 73,930円 | 114,930円 |
| 65〜74歳 | 43,200円 | 73,490円 | 114,490円 |
| 75歳以上 | 37,100円 | 67,390円 | 108,390円 |
生活扶助は、第1類に第2類(光熱費など世帯で共通にかかる費用・1人世帯は27,790円)と特例加算2,500円を足した額です。2級地-1の単身世帯には、10月からの基準で経過的加算は付きません。64歳までと65〜74歳の差は440円と小さい一方、75歳になると第1類が6,100円下がり、ひと月の合計は108,390円になります。
家賃が上限より安い部屋なら、住宅扶助は実際の家賃の額になります。たとえば35歳の単身の方が家賃35,000円の部屋に住むと、ひと月の合計は73,930円+35,000円=108,930円です。上限との差の6,000円が手元に残るわけではありません。また、65歳以上で介護保険料を納めている方には、その実費が介護保険料加算として加わります。
子どもがいる世帯の場合
母子3人の世帯と、夫婦と小学生の世帯を並べると、内訳は次のとおりです。
| 内訳 | 母子3人(母35歳・8歳・4歳) | 夫婦と小学生(35歳・35歳・8歳) |
|---|---|---|
| 第1類の合計 | 128,300円 | 130,480円 |
| 3人世帯の逓減率0.75を掛けた額 | 96,225円 | 97,860円 |
| 第2類(3人世帯) | 44,730円 | 44,730円 |
| 10円未満を切り上げた基準生活費 | 140,960円 | 142,590円 |
| 特例加算(2,500円×3人) | 7,500円 | 7,500円 |
| 生活扶助 | 148,460円 | 150,090円 |
| 母子加算(児童2人) | 21,800円 | — |
| 児童養育加算 | 20,380円 | 10,190円 |
| 教育扶助(小学生) | 3,400円 | 3,400円 |
| 住宅扶助(上限・3人世帯) | 53,000円 | 53,000円 |
| 1か月の合計 | 247,040円 | 216,680円 |
2つの世帯の差は30,360円です。母子3人の世帯には母子加算と、1人分多い児童養育加算が付きます。その一方で、4歳の子の第1類(41,460円)は大人(43,640円)より低いため、生活扶助そのものは1,630円少なくなります。母子加算は「1級地・2級地・3級地」の3区分で額が決まり、2級地-1の南足柄市は2級地の額(児童1人17,400円、2人なら合計21,800円)です。児童養育加算は級地に関係なく、18歳になった後の最初の3月31日までの子ども1人につき10,190円です。
高齢の夫婦と、障害のある方の場合
72歳と70歳の夫婦2人の世帯は、生活扶助118,230円に住宅扶助の上限49,000円を合わせて167,230円です。2人世帯の上限は49,000円で、単身の41,000円より8,000円高くなります。障害者加算は2級地の額で、身体障害者障害程度等級表の1級・2級に当たる場合などが25,540円、3級に当たる場合などが17,020円です。50歳の単身の方が3級に当たる場合、ひと月の合計は131,950円になります。
冬(11月〜3月)と12月は支給額が増える
暖房費などにあてる冬季加算が11月から3月まで上乗せされ、12月には年末の出費にあてる期末一時扶助が1回支給されます。冬季加算は級地ではなく地域の区分で決まり、神奈川県はⅥ区です。期末一時扶助は級地の6段階ごとに額が違い、2級地-1の南足柄市は次の額です。
| 世帯の人数 | 冬季加算(11月〜3月の月額) | 期末一時扶助(12月) |
|---|---|---|
| 1人 | 2,630円 | 13,190円 |
| 2人 | 3,730円 | 21,510円 |
| 3人 | 4,240円 | 22,160円 |
| 4人 | 4,580円 | 24,930円 |
モデルの世帯に当てはめると、月ごとの支給額は次のように変わります。
| 世帯 | ふだんの月 | 11月〜3月 | 12月 |
|---|---|---|---|
| 35歳・単身 | 114,930円 | 117,560円 | 130,750円 |
| 夫婦2人(72歳・70歳) | 167,230円 | 170,960円 | 192,470円 |
| 母子3人 | 247,040円 | 251,280円 | 273,440円 |
| 夫婦と小学生 | 216,680円 | 220,920円 | 243,080円 |
12月は、1年でいちばん支給額が多い月です。ただ、冬季加算と期末一時扶助は冬の暖房費や年末の出費にあてるためのお金なので、12月の額を前提に毎月の予算を組まないようにしましょう。地域の区分ごとの冬季加算の額は、冬季加算を解説したコラムにまとめています。
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南足柄市の生活保護費の計算のしかた
最低生活費は、年齢や世帯の人数ごとに決められた基準額を積み上げて求めます。ここでは、計算の途中で端数が出る高齢の夫婦2人の世帯(72歳・70歳)を例に、1段ずつ確かめます。
計算の手順(夫婦2人の世帯の例)
| 順番 | やること | 金額 |
|---|---|---|
| 1 | 2人の第1類を足す(43,200円+43,200円) | 86,400円 |
| 2 | 2人世帯の逓減率0.87を掛ける | 75,168円 |
| 3 | 第2類(2人世帯)を足す | +38,060円 |
| 4 | 経過的加算を足す(この世帯は0円) | +0円 |
| 5 | 合計113,228円の10円未満を10円に切り上げる | 113,230円 |
| 6 | 特例加算(2,500円×2人)を足す | +5,000円 |
| 7 | 生活扶助 | 118,230円 |
| 8 | 住宅扶助(家賃の実費・2人世帯の上限49,000円)を足す | +49,000円 |
| 9 | 最低生活費 | 167,230円 |
つまずきやすいところを3つ挙げます。
年金や給料があるとき
年金や給料などの収入がある場合、支給されるのは、最低生活費から収入として認められる額を引いた差額です。
例:72歳の単身の方(最低生活費114,490円)に、年金が1か月あたり6万円ある場合:114,490円 − 60,000円 = 54,490円が保護費の目安です。
年金や手当は、原則として受け取る額がそのまま収入になります。一方、働いて得たお金は、勤労控除などを差し引いた残りだけが収入として扱われるため、働けば働いただけ手元に残るお金が増えるしくみです。控除の額は、勤労控除の早見表を載せたコラムで確かめられます。
10月から特例加算は1人月2,500円に
生活扶助には、「特例加算」という上乗せ分が含まれています。令和8年6月11日の厚生労働省告示第245号で基準が改められ、令和8年10月1日から、自宅で暮らす世帯の特例加算は1人あたり月1,500円から2,500円になりました。入院している方や介護施設に入所している方の特例加算は、月1,000円のまま変わりません。
| 世帯 | 9月までの生活扶助 | 10月からの生活扶助 | 増えた額 |
|---|---|---|---|
| 35歳・単身 | 72,930円 | 73,930円 | +1,000円 |
| 72歳・単身 | 72,490円 | 73,490円 | +1,000円 |
| 78歳・単身 | 66,390円 | 67,390円 | +1,000円 |
| 夫婦2人(72歳・70歳) | 116,230円 | 118,230円 | +2,000円 |
| 母子3人 | 145,460円 | 148,460円 | +3,000円 |
| 夫婦と小学生 | 147,090円 | 150,090円 | +3,000円 |
南足柄市のモデル世帯は、どれも1人あたりちょうど1,000円ずつ増えています。9月までも10月からも経過的加算が0円の世帯なので、特例加算が上がった分がそのまま上乗せされたためです。同じ改正で、経過的加算は1人あたり1,000円小さくなりました(0円より下にはなりません)。9月まで経過的加算が付いていた方は、その分だけ増え方が小さくなります。なお、表の生活扶助には母子加算などの加算を含めていません。住宅扶助は特例加算の対象ではないので、変わりません。
南足柄市の生活保護で受けられる8つの扶助と加算
生活保護のお金は、使いみちごとに8つの扶助に分かれています。南足柄市の案内でも「生活、教育、住宅、医療、介護、出産、生業、葬祭の8種類の扶助があります。」と紹介されています。すべてが一度に支給されるわけではなく、世帯に必要なものだけが組み合わされます。
| 扶助 | 何のための費用か | 受け取り方 |
|---|---|---|
| 生活扶助 | 食費・衣類・電気やガスの料金など、日々の暮らしの費用 | 毎月、現金で |
| 住宅扶助 | 家賃・地代(上限あり)や、住まいの補修の費用 | 現金で(家主へ直接払われる場合もある) |
| 教育扶助 | 小中学校の学用品・給食費・通学費など | 現金で |
| 医療扶助 | 診察・治療・薬など | 病院や薬局へ直接支払われる |
| 介護扶助 | 介護保険のサービスを使う費用 | サービスの事業者へ直接支払われる |
| 出産扶助 | 出産にかかる費用 | 現金で(上限あり) |
| 生業扶助 | 仕事に就くための技能の習得や、高校に通う費用など | 現金で |
| 葬祭扶助 | 葬儀の費用 | 現金で(上限あり) |
扶助ごとの中身は、生活保護のしくみと8つの扶助をまとめたコラムで詳しく説明しています。
南足柄市の加算の額(2級地の額)
世帯の事情によっては、生活扶助に加算が上乗せされます。障害者加算や母子加算は「1級地・2級地・3級地」の3区分で額が決まっていて、2級地-1の南足柄市には2級地の額が使われます。妊産婦加算と在宅患者加算は「1級地及び2級地」と「3級地」の2区分で、南足柄市は「1級地及び2級地」の額です。
| 加算 | 主な対象 | 月額(南足柄市) |
|---|---|---|
| 児童養育加算 | 18歳になった後の最初の3月31日までの子どもがいる世帯 | 子ども1人につき10,190円 |
| 母子加算 | ひとり親などで子どもを育てている世帯 | 児童1人17,400円/2人21,800円/3人24,500円 |
| 障害者加算 | 身体障害者障害程度等級表の1級・2級に当たる方など | 25,540円 |
| 障害者加算 | 同じく3級に当たる方など | 17,020円 |
| 妊産婦加算 | 妊娠中の方と、出産後の方 | 妊娠6か月未満9,350円/6か月以上14,120円/産婦8,690円 |
| 在宅患者加算 | 自宅で療養中で、医師の診断により栄養の補給が必要とされた方など | 13,590円 |
| 介護保険料加算 | 65歳以上で介護保険料を納めている方など | 保険料の実費 |
| 放射線障害者加算 | 原子爆弾の放射線による障害などの認定を受けた方 | 49,120円または24,560円 |
| 介護施設入所者加算 | 介護施設に入所している方(障害者加算・母子加算が付かない場合) | 10,120円の範囲内 |
母子加算の欄は、児童の人数ごとの合計額です。障害のある方の受給額は、障害者の生活保護の受給額を解説したコラムで詳しく紹介しています。
母子加算と障害者加算の両方に当てはまるとき
同じ1人の人が母子加算と障害者加算の両方に当てはまる場合は、額の高いほうだけが算定されます(告示の「重複調整」)。ひとり親の母親自身に障害がある場合などが、これに当たります。これに対して、子どもに障害がある場合のように、別々の人がそれぞれの加算に当てはまるときは、どちらも算定されます。「2つの加算は同時に受け取れない」と一律に考えるのは正確ではありません。
南足柄市の生活保護費の支給日と追加給付
保護費が支給される日
南足柄市のホームページの生活保護の案内には、保護費が毎月何日に支給されるかが書かれていません。受け取り方(口座への振り込みか窓口か)も案内されていないため、受給が決まったときに担当のケースワーカーへ確かめてください。
支給日は、家賃の支払い日や口座の引き落とし日を決めるうえで大切な情報です。ただ、市の公式の案内で確かめられない日付を載せるわけにはいかないため、この記事では書いていません。
最高裁判決を受けた追加給付(南足柄市)
平成25年(2013年)から行われた生活扶助基準の引き下げについて、令和7年(2025年)6月27日に最高裁判所が違法とする判決を出しました。これを受けた追加給付について、南足柄市は次の世帯を対象としています。
いま受給している世帯は申出(手続き)が要りません。市の案内では「令和8年度中の生活保護費支給日に保護費とあわせて追加支給する予定です。」とされています。受給が終わっている世帯は申出が必要で、受付期間は令和8年8月1日から令和9年(2027年)7月31日までです(窓口での受付は令和8年8月3日から)。申出は、窓口か郵送で受け付けています。
問い合わせは、福祉課 生活援護班(0465-73-8022)へ。国の追加給付相談センター(0120-179-445・平日の午前9時〜午後5時)でも受け付けています。
南足柄市の住宅扶助の上限額と物件選び
南足柄市で単身の方が受けられる住宅扶助は、月41,000円までです。家賃がこれより安ければ、支給されるのは実際の家賃の額です。上限は世帯の人数に応じて上がり、モデルの計算に使った2人世帯は49,000円、3人世帯は53,000円です。事情によっては、上限を引き上げる「特別基準」が認められることもあります。世帯人数ごとの上限額は、次のページにまとめています。
住宅扶助の対象は、家賃・間代・地代などです。共益費や管理費が住宅扶助で認められるかどうかは、南足柄市の案内には書かれていません。家賃が上限内でも、共益費や管理費を足すと毎月の支払いが上限を超えることがあるので、契約の前に生活援護班へ確かめてください。
いまの家賃が上限を超えているとき
家賃が上限を上回っているというだけで、申請できなくなることはありません。ただし、上限内の住まいへ移るよう求められることがあります。転居が認められれば、条件を満たす範囲で、敷金等(敷金のほか権利金・礼金・不動産手数料・火災保険料・保証料)や引越しの費用が支給されます。どこまで認められるかは、福祉事務所が世帯ごとに判断します。
気をつけたいのは、相談より先に契約や引越しを済ませてしまわないことです。福祉事務所に相談しないまま移ると、費用が出ないことがあります。引越し費用が認められる条件は、生活保護の引越し費用を解説したコラムで説明しています。
南足柄市で生活保護を受けるための4つの基本要件
生活保護を受けられるかどうかは、次の観点で判断されます。南足柄市だけの特別な条件があるわけではなく、全国で共通の考え方です。厚生労働省も「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。」と呼びかけています。
収入:世帯の収入が南足柄市の最低生活費に届かないこと
給料・年金・仕送り・手当など、世帯全員の収入を合わせた額を、南足柄市の基準で計算した最低生活費と比べます。収入が最低生活費より少なければ、その差が保護費として支給されます。収入のない35歳の単身世帯なら最低生活費は114,930円なので、ひと月の手取りがこの額に届くかどうかが最初の目安です。
資産:預貯金や使っていない土地・家は生活費に充てる
すぐに使える預貯金や、生活に使っていない土地・建物などがあれば、まず生活費に充てることが求められます。ただし厚生労働省は「持ち家がある人でも申請できます。」としていて、住んでいる持ち家は持ち続けられる場合があります。
迷いやすいのが自動車です。厚生労働省の案内は「自動車については処分していただくのが原則ですが、通勤用の自動車を持ちながら求職している場合に、処分しないまま保護を受けることができる場合があります。」としています。車を通勤や通院に使っている方は、自分で手放す前に、生活援護班へ事情を伝えて相談しましょう。
働く力:働ける人は、できる範囲で働く
働くことができる人は、その力に応じて働くことが求められ、申請の後には働くことが可能かどうかの調査も行われます。これは「働いていると受けられない」という意味ではありません。働いて得た収入が最低生活費に届かなければ、足りない分が支給されます(計算の方法は「南足柄市の生活保護費の計算のしかた」の章で説明しています)。
ほかの制度:年金や手当などを先に使う
年金・雇用保険・各種の手当など、ほかの制度で受け取れるものがあれば、そちらが優先されます。家賃の支払いが苦しくなり始めた段階なら、市の福祉まるごと相談室で、住居確保給付金などの案内を受けられます(窓口は次の章で紹介します)。
親族の援助:先に親族へ相談しなくても申請できる
親や子、兄弟姉妹などから仕送りなどの援助を受けられる場合は、その援助が優先されます。ただし厚生労働省は「扶養義務者の扶養は保護に優先しますが、例えば、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。」と明記しています。申請の後で、親族に援助ができるかを問い合わせる扶養照会が行われることはありますが、DVや虐待など、親族に知られたくない事情がある方は、相談の最初にそのことを伝えてください。扶養照会の範囲は、扶養照会について解説したコラムで紹介しています。
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南足柄市の福祉事務所と申請窓口
南足柄市で生活保護の相談と申請を受け付けているのは、市役所1階の福祉課 生活援護班です。神奈川県の福祉事務所の一覧には「南足柄市福祉事務所」の名前で載っていますが、別の建物があるわけではなく、市役所の福祉課が窓口です。
| 担当 | 福祉課 生活援護班 |
| 場所 | 市役所1階(福祉課の窓口は8番) |
| 住所 | 〒250-0192 神奈川県南足柄市関本440 |
| 電話 | 0465-73-8022(生活保護)/0465-74-2111(市役所の代表) |
| ファクス | 0465-74-0545(福祉課) |
| 受付時間 | 市の案内に記載なし (同じ福祉課の福祉まるごと相談室は、平日の午前8時30分〜午後5時) |
生活援護班の受付時間は市の案内に書かれていないので、出かける前に電話で確かめておくと確実です。そのときに困っていることの概要を伝えておけば、当日の相談にも入りやすくなります。
市役所への行き方
市の施設案内によると、電車なら、小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線に乗って大雄山駅で降ります(所要時間は約21分)。バスなら、小田急線の新松田駅から箱根登山バスに乗り、「関本」で降ります(約20分)。車なら、東名高速道路の大井松田インターチェンジから県道78号線を西へ約4kmです。
申請を迷っている段階の相談先
仕事や収入、家賃の支払いなどの困りごとを、生活保護を申請するかどうか決める前に相談したいときは、同じ福祉課の福祉まるごと相談室が窓口です。市の案内は、相談室について「ご本人やご家族が抱える悩みや困りごとを受け止め、どうすれば解決できるかを、様々な支援機関と連携しながら相談員と一緒に考えていきます。」と説明しています。
| 窓口 | 福祉課 福祉まるごと相談室(市役所1階 8番窓口) |
| 電話 | 0465-43-7553 |
| 受付 | 月曜〜金曜 午前8時30分〜午後5時(祝日・年末年始を除く) |
| 予約 | 初めての相談は、予約を取ってから来庁するよう市が勧めています |
| 主な支援 | 自立相談支援、住居確保給付金、家計改善の支援、就労の支援、子どもの学習支援・居場所づくり、居住支援(シェルター) |
思いがけない出来事で一時的に生活が苦しくなった世帯には、南足柄市社会福祉協議会(0465-73-1575)が、50,000円を限度とする小口の貸付(簡易小口資金貸付事業)を行っています。貸付には要件があるので、詳しくは社会福祉協議会に問い合わせてください。
南足柄市の申請から決定までの流れ
生活保護法と厚生労働省の案内をもとに、受給が始まるまでの流れを整理します。南足柄市での窓口は、市役所1階の福祉課 生活援護班です。
- 相談:生活援護班で困りごとを話し、制度のしくみや、ほかに使える制度の説明を受けます
- 申請:申請書を出します。世帯の収入や資産の状況がわかる資料(通帳の写しや給与明細など)の提出を求められることがあります
- 調査:家庭訪問などによる暮らしの様子の確認のほか、預貯金・保険・不動産などの資産、親族からの援助の可否、年金や働いて得た収入、働くことができるかどうかが調べられます
- 決定の通知:結果は、理由を付けた書面で届きます。通知は申請の日から14日以内が原則で、調査に時間がかかるなど特別な理由がある場合は30日まで延ばせます(生活保護法第24条)
- 支給の開始:保護が決まると支給が始まります。支給日と受け取り方は、担当のケースワーカーに確かめてください
「申請します」という意思は、言葉にしてはっきり伝えましょう。相談しただけでは、申請したことになりません。申請から30日たっても通知がないときは、申請が却下されたものとみなすことができます(生活保護法第24条第7項)。また、いま住むところがない方も申請できます。厚生労働省は「まずは現在いる場所のお近くの福祉事務所へご相談ください。」としています。
申請のときに用意しておくとよいもの
欠かせないのは申請書です。厚生労働省によると、申請書には氏名や住所、保護を受けたい理由、資産と収入の状況などを書きます。そのほか、次のものが手元にあると話を進めやすくなります。
書類がそろっていなくても、まずは相談してください。なお、保護が始まると国民健康保険は使えなくなるため、市民課 保険年金班で脱退の手続きをします(詳しくは後の章で説明します)。
南足柄市で借りられる物件の探し方
部屋探しの出発点は、家賃が住宅扶助の上限に収まることです。単身なら41,000円以内、3人世帯なら53,000円以内が目安になります。共益費や管理費の扱いも確かめたうえで、毎月の支払いを続けていけるかを考えましょう。
間取りごとの家賃相場と、上限との差
民間の不動産情報サイト LIFULL HOME’S の家賃相場(駅から歩いて10分以内の物件の平均賃料・管理費などは含まない・2026年9月27日に確認)では、南足柄市の間取りごとの平均は次のとおりです。
| 間取り | 家賃相場(南足柄市全体) |
|---|---|
| 1K | 5.90万円 |
| 1LDK | 6.92万円 |
| 2DK | 5.65万円 |
| 2LDK | 6.74万円 |
| 3LDK | 6.36万円 |
単身向けの1K(5.90万円)は、単身の上限41,000円を約1.8万円上回ります。一方、家族向けの2DKは5.65万円で、3人世帯の上限53,000円との差は3,500円、2人世帯の上限49,000円と比べても7,500円です。家族向けの間取りのほうが上限に近いのが、南足柄市の相場の特徴といえます。表は駅に近い物件の平均なので、駅からの距離や築年数の条件をゆるめれば、上限内の部屋が見つかることもあります。表にないワンルームや1DKなどは、サイトに値が出ていませんでした。
大雄山線の駅とバス停を軸に探す
市内には伊豆箱根鉄道大雄山線の6つの駅(相模沼田・岩原・塚原・和田河原・富士フイルム前・大雄山)があり、大雄山駅から小田原駅までは約21分です。生活保護を受けている間は、車を持ち続けられる場合が限られるため、駅やバス停、スーパー、病院まで歩いて行けるかを、家賃と同じくらい大事な条件として考えましょう。
家賃の上限は、借りる部屋のある場所で決まります。小田原市や開成町など県内の近くの市町に移っても、単身の上限は41,000円のままですが、担当の福祉事務所は変わります。物件の住所がどの市町にあるかを、申し込む前に確かめてください。
市営住宅という選択肢
南足柄市には4つの市営住宅があります。市の申し込み資格の案内には「年齢が60歳以上の方や、1級から4級までの身体障害者、生活保護受給者等は、単身者でも申し込みができます。」とあり、生活保護を受けている方は1人暮らしでも申し込めます。
| 住宅 | 所在地 | 間取り | 建設年度 |
|---|---|---|---|
| 久根下住宅 | 中沼 | 3K・3DK・4DK | 昭和53〜58年 |
| 下滝下住宅 | 広町 | 3DK | 昭和49年・52年 |
| 向田住宅 | 向田 | 2DK・3DK | 平成10年 |
| 怒田住宅 | 怒田 | 1DK・2DK・2LDK | 平成23年 |
ほかにも、世帯の所得(法で定める控除を差し引いた額)が1か月あたり15万8千円以下であること、税金や家賃などの滞納がないこと、持ち家がないことなどの条件があります。募集の時期や空きの状況は、建築営繕課 市営住宅班(0465-46-8386)に問い合わせてください。申し込んでもすぐに入居できるとは限らないので、民間の賃貸での部屋探しも並行して進めましょう。
部屋探しで気をつけたいこと
生活保護を利用している方を受け入れる物件かどうかは、一般の物件検索サイトでは見分けにくいものです。当サイトでは、提携する不動産会社と連携して、南足柄市とその周辺で部屋を探している方のご相談を受け付けています。記事内の「住まいの無料相談はこちら」ボタンから、お問い合わせください。
申請が却下されたときの対処法
申請が認められなかったときも、打つ手はあります。主な選択肢は次の3つです。
- 却下の理由を確かめる:決定の書面には理由を付けることが、法律で定められています(生活保護法第24条第4項)。収入の計算や資産の扱いに食い違いがあれば、生活援護班に説明を求めましょう
- 審査請求をする:決定に納得できない場合は、神奈川県知事に審査請求ができます。期間は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です(行政不服審査法第18条第1項)
- 事情が変わったら、もう一度申請する:収入が減った、病気で働けなくなったといった変化があれば、あらためて申請できます
審査請求の手順と書き方は、申請が却下されたときの審査請求を解説したコラムで説明しています。1人で抱え込まず、福祉まるごと相談室や、法テラスなどの法律相談の窓口に相談する方法もあります。
南足柄市で受けられる支援と、知っておきたいこと
年金・健康保険・予防接種の手続き
生活保護の手前で使える住居確保給付金
離職や廃業などで住まいを失った方や、失うおそれがある方に、家賃相当額を支給する制度です。厚生労働省の案内では、住宅扶助の額を上限に、実際の家賃額を原則3か月(延長は2回まで・最長9か月)支給するとされていて、南足柄市の単身世帯なら上限は41,000円です。家賃の安い住まいへ移る必要がある方には、転居費用の支援もあります。収入や資産の条件があるので、まずは福祉まるごと相談室(0465-43-7553)に問い合わせてください。
申請や受給で気をつけたいこと
南足柄市の生活保護についてよくある質問
- Q南足柄市で単身の場合、生活保護はいくらもらえますか?
- A
収入のない35歳の単身世帯なら、生活扶助73,930円と住宅扶助(上限41,000円)を合わせた月114,930円が目安です(令和8年10月からの基準)。65〜74歳なら114,490円、75歳以上なら108,390円です。家賃が上限より安いときは、実際の家賃の額が支給されます。
- Q南足柄市の生活保護の窓口はどこですか?
- A
市役所1階の福祉課 生活援護班です(南足柄市関本440)。電話は0465-73-8022です。受付時間は市の案内に書かれていないので、出かける前に電話で確かめると確実です。
- Q保護費はいつ支給されますか?
- A
南足柄市のホームページの生活保護の案内には、支給日が書かれていません。受給が決まったときに、支給日と受け取り方(口座への振り込みか窓口か)を、担当のケースワーカーに確認してください。
- Q開成町や小田原市の部屋に引っ越すと、家賃の上限は変わりますか?
- A
変わりません。神奈川県の基準は級地によって額が変わらないため、南足柄市・開成町・山北町・小田原市・箱根町のどこでも、単身の上限は41,000円です。ただし、級地が違う市町では生活扶助の額が変わり、町へ移ると担当は県の保健福祉事務所になります。引越しの前に、必ず生活援護班に相談してください。
- Q生活保護を受けていても、市営住宅に申し込めますか?
- A
申し込めます。南足柄市の案内では、生活保護受給者等は単身者でも申し込みができるとされています。所得や滞納がないことなどのほかの条件もあるので、建築営繕課 市営住宅班(0465-46-8386)に確かめてください。
- Q2026年10月から受給額は変わりましたか?
- A
令和8年10月1日から、自宅で暮らす世帯の特例加算が1人あたり月1,500円から2,500円に上がりました。この記事で試算した南足柄市の世帯は、いずれも1人あたり1,000円ずつ増えています。ただし、9月まで経過的加算が付いていた世帯は、増え方が小さくなります。記事の金額は、すべて10月からの基準で計算しています。
- Q追加給付を受け取るには、手続きが必要ですか?
- A
いま受給している世帯は、手続きが要りません(令和8年度中の支給日に、保護費とあわせて支給される予定です)。受給が終わっている世帯は申出が必要で、期間は令和9年7月31日までです。申出は、窓口か郵送で受け付けています。
まとめ
南足柄市で生活保護を利用するときのポイントを整理します。
- 南足柄市は2級地-1。住宅扶助の上限は神奈川県の基準で単身月41,000円(隣の市町に移っても同じ)
- 収入のない35歳の単身世帯の最低生活費は月114,930円、母子3人なら247,040円が目安(令和8年10月からの基準)
- 11月〜3月は冬季加算、12月は期末一時扶助が加わり、35歳の単身なら12月は130,750円になる
- 窓口は市役所1階の福祉課 生活援護班(0465-73-8022)。受付時間と支給日は市の案内に載っていないので、電話や担当のケースワーカーに確かめる
- 決定は原則14日以内(最長30日)。却下されても3か月以内なら神奈川県知事に審査請求ができる
- 生活保護を受けている方は、市営住宅に1人暮らしでも申し込める
仕組みがわかっても、自分の世帯に当てはめると迷うことは多いものです。南足柄市での住まい探しも含めて相談したい方は、下のボタンからお問い合わせください。
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